こちらでは、仏壇の正しい祀り方、その中心にあるご本尊に関して御紹介いたします。

仏壇の祀り方
仏壇を飾る
仏壇の飾り方に関しご説明します。毎日、お参りする仏壇は、仏壇の中に本尊、位牌を安置するだけではなく、花立や燭台、香炉などの仏具を飾って、はじめて完成といえます。
仏壇に仏具を飾ることを「荘厳(しょうごん)する」といいます。荘厳はサンスクリット語で「見事に配置されていること」という意味で、さまざまな仏具で仏壇を飾って、はじめて仏壇になるのです。
揃える仏具は宗派によって違いがありますので、仏具を選ぶときは信頼できる仏壇店と相談しながら購入するのが一番です。
仏具の素材もさまざまで、木製、銅器、陶器、金襴、樹脂などでできており、素材によって価格もかなり違います。また仏壇に合わせて、仏具の大きさを選ぶことも大切です。大きすぎれば、仏壇内がうるさく感じられますし、小さすぎると、さみしく感じます。
漠然と仏具を揃えると、仏壇内の統一性がなく、美しく見えないことがあります。見事に荘厳した仏壇にするためにも、仏壇店と相談をしながら選ぶとよいでしょう。
お仏壇を置く場所・お仏壇の大きさ
昔は、仏壇は仏間におかなければいけない、という慣習がありました。
しかし近年では、どの部屋にどんな仏壇をおかなければならないという決まりはなく、ご自宅の都合に合わせた置き方から選ぶことが一般的になりました。
それに合わせて仏壇もインテリアに合うモダンなデザインのものや、手入れのしやすいものも出ています。
ご自宅に合ったものを選ぶようにするとよいでしょう。
一般的に、北向きにお仏壇を向けてはいけないとされていますが、これは、昔の家の作りによるものです。南面北座説、東面西座説、床の間説等いろいろ宗派にもより、考え方も異なる場合がございます。実際は、仏様は十方どの方角にもいらっしゃるので、お仏壇はどの方角に置いても良いと思われます。
仏壇を購入したら開眼供養をする
開眼供養を行うことで仏壇となります。
新しく購入した仏壇は、そのままではただの棚にすぎません。
お墓と同じように、本尊・位牌・仏具を揃えて、僧侶に「開眼供養(かいげんくよう)」を行ってもらいます。
「入仏式」や「魂入れ」とも言われます。 これによって魂が宿り、礼拝の対象になります。
ご本尊・お位牌・仏具
ご自身がどの宗派なのかにより、かなり変わります。仏壇に安置する本尊や脇仏などが宗派によって違うからです。
宗派調べは自分のルーツを調べるようなものです。両親が亡くなった場合、まずは父方の実家、あるいは親戚に聞きましょう。父方の実家に誰も親戚がいない場合は、お寺に聞くことをおすすめします。
ご本尊に関しては次の項にて詳しくご説明いたします。
お位牌は、白木のお位牌を仮位牌として葬儀で用意して四十九日までの間使用するといった事は一般的です。白木位牌から本位牌を準備し、お仏壇には本位牌を祀ります。
※浄土真宗では位牌を用いないと思われていますが、仏式葬儀を行う場合は仮の位牌を四十九日の忌明けまでに準備してお仏壇に安置して供養するのが一般的であることから、浄土真宗でも葬儀やお通夜に白木位牌を使うケースはあります。

本尊について
本尊とは
本尊とは信仰の中心として祀られている仏像や曼荼羅(まんだら)のことです。
本尊は宗派によってそれぞれ異なりますので、菩提寺の宗派に合わせて選びます。本尊が宗派ごとに異なるのは、各宗派により教義や仏教の理想の求め方が違うからです。
本尊の形式には、お姿のある仏像と、絵像の掛軸があり、寸法は、仏壇内部の大きさに合わせて選びます。仏像には、木彫仏像や鋳造仏像などがあります。
本尊は菩提寺を通して本山からいただく場合もありますが、一般には仏壇店から購入し、菩提寺の住職に魂入れ(たましいいれ)をしていただきます。
本尊は、仏壇の中心である須弥壇(しゅみだん)の上に安置します。より丁寧にまつるには、その両脇に脇掛(わきがけ)という、宗派で定めている祖師像などの掛軸を安置します。 掛軸は仏壇の裏板に鋲で留めるか、掛軸台にかけて安置します。
本尊の種類
本尊は仏壇の中心に安置される仏像(仏像だけではなく、掛軸をかける場合もあります)、あるいは曼荼羅です。安置する仏像は宗派によって異なります。
宗派 | 本尊 | 脇掛 | |
---|---|---|---|
右 | 左 | ||
天台宗 (てんだいしゅう) | 阿弥陀如来 (あみだにょらい) | 天台大師 (てんだいだいし) | 伝教大師 (でんぎょうだいし) |
真言宗 (しんごんしゅう) | 大日如来 (だいにちにょらい) | 弘法大師 (こうぼうだいし) | 不動明王 (ふどうみょうおう) |
浄土宗 (じょうどしゅう) | 阿弥陀如来 (あみだにょらい) | 善導大師 (ぜんどうだいし) | 法然上人 (ほうねんしょうにん) |
浄土真宗本願寺派 (じょうどしんしゅうほんがんじは) | 阿弥陀如来 (あみだにょらい) | 親鸞聖人 (しんらんしょうにん) | 蓮如上人 (れんにょしょうにん) |
真宗大谷派 (しんしゅうおおたには) | 阿弥陀如来 (あみだにょらい) | 十字名号 (じゅうじみょうごう) | 九字名号 (くじみょうごう) |
臨済宗 (りんざいしゅう) | 釈迦如来 (しゃかにょらい) | ※脇掛は各派によって異なります | |
曹洞宗 (そうとうしゅう) | 釈迦如来 (しゃかにょらい) | 承陽大師 (しょうようだいし (道元(どうげん))) | 常済大師 (じょうさいだいし (瑩山(けいざん))) |
日蓮宗 (にちれんしゅう) | 曼荼羅 (まんだら) | 鬼子母神 (きしぼじん) | 大黒天 (だいこくてん) |
浄土真宗における作法
浄土真宗は位牌ではなく法名軸(ほうみょうじく)や過去帳(かこちょう)を使います。
故人が亡くなった後の名前を法名といい他宗派でいうところの戒名にあたるものです。
葬儀などのタイミングで僧侶様から法名をいただいたら、法名軸や過去帳に書き写して仏壇に安置しお祀りします。
法名軸は金襴や緞子などでできた 掛軸の中央に白無地の紙を表装したもので、故人の法名と俗名、死亡年月日、享年なども記載します。
過去帳は一族の法名や死亡年月日などの情報が記入されたもので家系図や記録帳のようなものです。仏壇店で購入するか菩提寺の住職に用意してもらいます。

法名軸や過去帳のお布施の相場
法名軸や過去帳をお寺の僧侶が用意してくれたらその対価としてお布施を納めなければなりません。法名軸と過去帳の価格相場は地域によっても異なりますが以下のようになります。
法名軸のお布施(法要と本体と記入):3万円〜10万円程度。
法要を行わずに記入だけ:五千円から1万円。
法名軸の購入金額:2,000円~1万円以上。
過去帳のお布施(本体と記入):3万円〜5万円程度。
法要を行わずに記入だけ:五千円から一万円。
過去帳の購入金額:数千円~数万円。
お寺に依頼して法要から記入までフルコースで行うのと、仏具店で購入して自分で記入するのとではかなりの金額の差になります。過去帳を販売している仏具店でも無料で記入してくれるところがありますので相談してみてください。
宗派によって法名その他の情報の記入の順番や内容が異なりますのでそれぞれのやり方に従って記入が必要ですのでお任せしたほうが無難です。
しかし明確に誰が書かなければいけないという決まりはなく、もちろん自分や家族が書いても大丈夫です。

白木位牌の処分について
通夜や葬儀で使った白木の位牌に関して、お焚き上げ処分してもらうことは他の宗派と同じです。白木位牌の処分に関してお困りでしたらご相談いただければと存じます。
供養の専門業者 さくらサービス東京
自社供養所にて由緒正しい僧侶による閉眼供養を合同で行うことで、廃棄に対して不安を持ってらっしゃる方にも安心して処分をお任せいただいております。
さくらサービス東京への問合せ https://www.sakura-kuyou.com/
メールでの質問(メールアドレス) info@ohaka.expert
Comments