位牌の置き方、仏壇なしでも大丈夫?最適な場所と宗派別の注意点を解説!
- Shinji Iwata

- 2024年7月4日
- 読了時間: 15分
更新日:2月26日
位牌(いはい)は、故人を敬い、その存在を日々の生活の中に感じるための重要な仏具です。しかし、仏壇(ぶつだん)を持たない家庭が増える中で、位牌をどのように置くべきか悩む方も多いでしょう。
本記事では、仏壇を用いずに位牌を適切に置くための基本知識から具体的な方法、さらに、それに伴う注意点や作法までを網羅的に解説します。
~目次~

位牌はどこに置くのが基本?
位牌を手元に迎える際、まず直面するのが「家のどこに置くべきか」という問題です。故人を身近に感じられる場所に置きたいという想いと、宗教的な作法として正しい場所に置かなければならないという義務感の間で迷われる方も多いでしょう。基本的には、位牌は故人の魂が安らぐための場所を用意して、そこに安置することが大切です。
ここでは、位牌を置くのに最も適した場所と、現代の住宅事情に合わせた柔軟な考え方について解説します。
置き場所 | 特徴 | 適しているケース |
仏壇の中 | 最も正式で丁寧な供養の形 | 仏壇がある、または購入予定の場合 |
祭壇・供養棚 | 仏壇に準ずる専用のスペース | 仏壇を置くスペースがない場合 |
リビングの棚 | 生活の中で故人を身近に感じる | 形式にとらわれず供養したい場合 |
最も丁寧な場所は仏壇の中
位牌を安置する場所として、最もふさわしいのはやはり仏壇の中です。
仏壇は「家の中にあるお寺」とも言われ、ご本尊とご先祖様をお祀りするための神聖な空間とされています。位牌を仏壇に納めることは、故人が仏様の世界で安らかに過ごせるようにという願いを込めた、最も伝統的で丁寧な供養の形といえます。
もしご自宅に仏壇がある場合は、迷わずその中に納めることをおすすめします。仏壇という守られた空間に置くことで、位牌が汚れや破損から守られるという実用的なメリットもあります。なにより、朝夕に手を合わせる場所が定まることで、日々の供養が習慣化しやすくなり、遺された家族の心の安定にもつながるはずです。
仏壇がない場合は供養スペースを設ける
最近ではマンション暮らしや核家族化の影響で、家に仏壇がないというケースも珍しくありません。仏壇がないからといって、位牌を作ってはいけない、あるいは置いてはいけないということは決してありませんのでご安心ください。そのような場合は、タンスの上やサイドボードの一角などを整理して、位牌を置くための専用スペースを設けることが解決策となります。
大切なのは「生活用品と混在させない」という点です。位牌の周りには物を置かず、清浄な空間を保つように心がけてください。白い布や敷物を敷いてその上に位牌を安置し、お花や写真、お水などを供えることで、立派な祈りの場ができあがります。形式にとらわれすぎず、故人を大切に想う気持ちを形にできる場所を作ることが、現代における供養の第一歩といえるでしょう。
そもそも位牌とは
位牌(いはい)とは、故人の霊を宿すための象徴であり、日本の仏教では広く使用されています。亡くなった人の名前や戒名、生年月日、命日が記された木製の牌で、故人の霊を鎮め、供養するための道具として重要な役割を果たします。位牌はその見た目から一見簡素に見えるかもしれませんが、その背後には深い意味と伝統があります。
位牌は故人の魂が宿る場所とされています。位牌を通じて、故人の魂と対面し、偲んで手を合わせる媒体としての役割を持ちます。故人を偲び、親族や友人が集まり、生前の感謝を伝える場を作り、礼拝対象の機能を果たし、ご先祖様から繋がる魂の連携を保つための大切な道具であり、丁重に扱う必要があります。
【関連記事】お位牌はなぜ必要か?お位牌の役割、必要性について
仏壇での位牌の正しい置き方は?
仏壇に位牌を納めることになった場合、次に気になるのが「仏壇の中のどこに置けばいいのか」という具体的な配置です。仏壇の内部は段になっており、それぞれの段には意味や役割があります。適当に置いてしまうと、ご本尊に対して失礼になったり、仏教の教えに反する形になってしまったりする可能性があるため注意が必要です。
ここでは、仏壇内部における位牌の定位置と、配置する際の基本的なマナーについて確認していきましょう。
段の位置 | 名称・役割 | 置くべきもの |
最上段(須弥壇) | 仏の世界の中心 | ご本尊(仏像や掛軸) |
二段目以降 | ご先祖様の居場所 | 位牌 |
下段 | 供養の場 | 仏具(香炉、花立、ロウソクなど) |
本尊が最上段で位牌はその一段下
仏壇の中で最も重要な位置とされるのは、最上段の中央です。ここには、その宗派のご本尊(仏像や掛け軸)をお祀りするのが大原則です。位牌は故人の霊魂が宿るものとして大切に扱われますが、仏教の教えでは仏様(ご本尊)に導かれて成仏すると考えられているため、ご本尊よりも一段低い位置に安置するのが正しい作法となります。
一般的には、ご本尊が安置されている最上段(須弥壇といいます)のすぐ下の段、あるいはその左右が位牌の定位置です。ご本尊を見上げるような位置関係を作ることで、故人が仏様の教えを聞き、守られている様子を表しています。まずは「ご本尊が主役、位牌はその次」という序列を理解しておくと、配置に迷うことが少なくなります。
ご本尊の姿が隠れないように配置する
位牌を置く際にもう一つ気をつけたいのが、ご本尊との位置関係における視認性です。位牌をご本尊のすぐ手前に置いてしまうと、ご本尊の姿が隠れて見えなくなってしまいます。これでは、手を合わせたときにご本尊を拝むことができず、本来の供養の形として望ましくありません。
位牌はご本尊の正面を避け、左右のどちらかにずらして配置するようにしましょう。向かって右側が上座とされることが多いため、基本的には右側に置きますが、スペースの都合や位牌の数によっては左側に置いても問題ありません。大切なのは、仏壇全体を見たときに、ご本尊と位牌が重ならず、それぞれの姿がきちんと見えるようにバランスを取ることです。
最上段には位牌を置かない
稀に、立派な位牌だからといって最上段の中央やご本尊の横に並べて置こうとされる方がいますが、これは避けるべき配置です。先ほども触れたように、最上段は仏様の世界を表す聖域であり、ご本尊のためだけの特別な場所だからです。いくら故人が家の中で偉大な存在であったとしても、仏教の秩序の中では仏様と同列に並ぶことはありません。
ただし、仏壇のサイズが小さく段差がない場合や、内部の構造が特殊な場合はこの限りではありません。その場合でも、位牌をご本尊よりも少し手前に置く、あるいはご本尊を台座に乗せて高さを出すなどして、明確な高低差をつける工夫をすると良いでしょう。どのような形式の仏壇であっても「ご本尊を敬う」という基本姿勢を崩さないことが大切です。
位牌が複数ある場合はどう並べる?
先祖代々の位牌がある家に、新しく亡くなった方の位牌を加える場合、複数の位牌をどのように並べるべきか悩むことがあります。位牌の並べ方には明確な序列があり、基本的には「年功序列」ならぬ「古い順」に並べるのがルールです。無造作に置いてしまうと、ご先祖様の順番が逆転してしまうことになりかねません。
ここでは、複数の位牌を安置する際の左右の決まりや、夫婦の位牌の並べ方、そして位牌が増えすぎて仏壇に入りきらなくなった場合の対処法について解説します。
順位 | 配置場所(向かって) | 対象となる位牌 |
1位 | 右側の最も奥(または中心寄り) | 最も古いご先祖様 |
2位 | 左側の最も奥(または中心寄り) | 2番目に古いご先祖様 |
3位 | 右側の手前(または外側) | 3番目に古いご先祖様 |
4位 | 左側の手前(または外側) | 新しい位牌 |
右側を上座とし古い順に並べるのが原則
仏壇の中では、向かって「右側」が上座(位が高い場所)とされています。したがって、位牌が複数ある場合は、最も古いご先祖様の位牌を最上段の下の段の「右側」に配置します。次に古い位牌は「左側」、その次は一段下がってまた「右側」というように、左右交互に、そして奥から手前へと並べていくのが正式な手順です。
これを現代の言葉で簡単に言えば「古い人ほど偉い場所(右奥)に、新しい人ほど手前や左側に」ということになります。新しく作った位牌は、基本的には一番末席(最も左、あるいは最も手前)に置くことになります。ただし、亡くなって間もない四十九日までは祭壇などに祀り、四十九日法要を終えてから仏壇の所定の位置に納めるのが一般的な流れです。
夫婦の位牌は夫を右側に配置する
ご夫婦ともに亡くなり、それぞれの位牌がある場合はどうでしょうか。あるいは、一つの位牌に夫婦二人の戒名を入れる「夫婦位牌」を作るケースもあるでしょう。この場合も「右側が上座」という原則が適用されます。日本の伝統的な慣習に基づき、夫の位牌(または名前)を向かって右側に、妻を左側に配置するのが一般的です。
もし別々の位牌を作るのであれば、夫の位牌を右に、妻の位牌をその左隣に並べて置きます。夫婦位牌として一枚の札に連名にする場合も、向かって右側に夫の戒名、左側に妻の戒名を記します。これはあくまで慣習であり男尊女卑を意図するものではありませんが、迷ったときはこの基本ルールに従っておくと、親族などが見た際にも違和感なく受け入れられやすいでしょう。
繰出位牌で一つにまとめる方法もある
代々続く家系などでは、年月とともに位牌の数が増え、仏壇の中に並べきれなくなることがあります。仏壇が位牌で溢れてしまうと見栄えが悪いだけでなく、掃除や給仕もしづらくなってしまいます。そのような場合に検討したいのが「繰出位牌(くりだしいはい)」や「回出位牌」と呼ばれる形式の位牌です。
これは箱型の位牌の中に、戒名を書いた薄い木の札を何枚も収納できる仕組みになっています。一番手前の札を表に出し、命日などが来るたびに札を入れ替えて供養します。通常は「〇〇家先祖代々之霊位」と書かれた札を一番前にしておき、中に個人の札を納めます。これなら、何柱もの位牌を一つにまとめることができ、仏壇の中をすっきりと保つことができます。33回忌や50回忌を過ぎた古い位牌から順に、この形式に切り替えていくのが一般的です。
位牌を移動・引っ越しさせる際の注意点
位牌は故人の魂が宿る非常に大切な安らぎの場所ですので、場所を移動させる際には細心の注意を払う必要があります。単に「物」として運ぶのではなく、宗教的な作法と物理的な保護の両面から準備を整えることが重要です。特に住居が変わるような大きな移動の場合には、事前の供養が必要になるケースも多いため、あらかじめ手順を確認しておきましょう。
長距離の移動や引っ越しには「魂抜き」が必要な場合も
住居を移る際や長距離の移動を伴う場合には、「魂抜き(閉眼供養)」と呼ばれる儀式を行うことが一般的です。これは、位牌に宿っている故人の魂を一度抜き取り、一時的に「物」の状態に戻すための大切な作法とされています。魂を抜かずに移動させることは、故人を落ち着かない状態で連れ回すことにつながると考える方も多いため、菩提寺や僧侶に相談することをおすすめします。引っ越し先で新しい安置場所が決まった際には、改めて「魂入れ(開眼供養)」を行い、魂を呼び戻す儀式を行います。ただし、宗派や地域によっては考え方が異なる場合もありますので、ご自身の家のしきたりを確認した上で進めるのが最も安心できる方法です。
移動時は白い布に包み、両手で丁寧に扱う
位牌を物理的に運ぶ際には、直接手で触れることを避け、清潔な新しい白い布で包むのが基本の作法です。素手で触れると、手の脂や汚れが位牌に付着してしまい、金箔が剥がれたり木材が変色したりする原因にもなるため注意してください。運搬する時は必ず両手でしっかりと持ち、胸に近い位置で抱えるようにして、落としたりぶつけたりしないように慎重に歩きます。もし車で移動させる場合には、座席に直置きするのではなく、膝の上に抱えるか安定した箱に入れて固定し、振動が伝わりにくい工夫をしてください。位牌は非常にデリケートな伝統工芸品としての側面も持っています。そのため、過度な衝撃や急激な温度変化を避けることが、末長く美しく保つためのポイントとなります。
掃除などで一時的に動かす際の作法と心構え
日々の掃除や仏壇の整理などで、一時的に位牌を動かす際にも、敬意を忘れない心構えが大切です。動かす前には必ず手を合わせ、故人に対して「これからお掃除のために少し動かします」と心の中で報告をしてから作業を始めるようにしましょう。一時的に避けておく場所についても、床に直接置くようなことは決してせず、清潔な机や棚の上に白い布や紙を敷いた場所を用意します。また、掃除の際には化学雑巾や硬い布は使用せず、専用の毛ばたきや柔らかい綿の布で、優しく埃を払う程度に留めるのが無難です。作業が終わって元の場所に戻した際にも、再び合掌して無事に終了したことを伝えてください。形式的な作法も重要ですが、何よりも故人を敬う気持ちを持って接することが、最も大切な供養の形となります。
仏壇なしで位牌を置くのに最適な場所
仏壇がない場合、どこに位牌を置くのが良いのでしょうか。故人への敬意を払い、家族が自然と手を合わせられる場所を選びましょう。
家族が集まるリビング
リビングは、家族が最も多くの時間を過ごす場所です。家族団らんの中心に位牌を置くことで、故人も一緒に過ごしているように感じられ、日常的に故人を偲ぶことができます。テレビボードの上やサイドボードなど、少し高さのある家具の上が適しています。
静かに故人と向き合える寝室
寝室は、静かで落ち着いて故人と対話できる場所です。朝起きた時や夜寝る前に、一日のはじまりと終わりの挨拶をすることで、故人をより身近に感じることができます。ただし、就寝時に足が向く方向は避けるように配置しましょう。
格式のある床の間や仏間
ご自宅に和室がある場合、床の間や仏間は位牌を安置するのに最も適した場所です。これらは家の中でも格の高い場所とされており、故人への敬意を示すのにふわしい空間です。床の間や仏間に直接置くのではなく、小さな台や棚を用意し、少し高い位置に安置しましょう。
仏壇なしでの位牌の飾り方と工夫
仏壇がなくても、少しの工夫で心のこもった供養のスペースを作ることができます。
床への直置きは避けて棚や台を用意する
位牌を床に直接置くことは、故人に対して失礼にあたります。必ず棚やチェスト、専用の台などを用意し、座ってお参りした時に自分の目線より少し上になるくらいの高さに安置しましょう。清潔な布を敷くと、より丁寧な印象になります。
壁掛けの飾り棚を活用する
置き家具を設置するスペースがない場合は、壁に取り付けるタイプの飾り棚(ウォールシェルフ)が便利です。省スペースでありながら、位牌を適切な高さに安置することができます。シンプルなデザインのものを選れば、洋室のインテリアにも自然に馴染みます。
モダンなミニ仏壇やステージ仏壇を取り入れる
最近では、伝統的な仏壇のイメージとは異なる、モダンでコンパクトな「ミニ仏壇」や、台座のみの「ステージ仏壇」もあります。これらはインテリアに溶け込むデザインが多く、リビングや寝室にも違和感なく設置できます。故人のイメージに合ったものを選ぶのも良いでしょう。
最低限揃えたい仏具「三具足」
位牌だけを置いても問題ありませんが、より丁寧に供養するために、お参りに使う基本的な仏具を揃えることをおすすめします。
最低限揃えたいのは「三具足(みつぐそく)」と呼ばれる3点で、「香炉(こうろ)」「燭台(しゅくだい)」「花立(はなたて)」をセットにして指す言葉です。[優内18] 仏教ではこのセットを仏前に置くことが必要最低限とされ、宗派関係なく非常に重要視されるアイテムです。
逆にこれらを位牌の前に並べることで、小さくても心のこもった祈りの場が完成します。意外にもチーンと鳴らす「おりん」は必要不可欠なものではないのですが、これを加えると馴染みのある音とともに、一層心も安定します。
位牌を置いてはいけない場所とは?
故人への敬意を欠いたり、位牌を傷めたりする可能性がある場所は避けるべきです。具体的には以下の場所に注意してください。
人の出入りが激しい玄関
玄関は人の出入りが頻繁で、外からのホコリも入りやすいため、落ち着いて供養できる環境ではありません。また、来客の目に付きやすく、相手を驚かせてしまう可能性もあるため、安置場所としては不向きです。
湿気や汚れが気になる水回り
キッチンや洗面所などの水回りは、湿気が多く、位牌が傷む原因となります。木製である位牌は湿気に弱く、カビが発生する恐れもあります。大切な位牌を長くきれいに保つためにも、水回りは避けましょう。
位牌が傷む直射日光の当たる場所
直射日光は、位牌の変色やひび割れといった劣化を引き起こす原因になります。窓際など、日が直接当たる場所は避けて安置してください。
宗派別の注意点
位牌の扱い方は宗派によって異なります。例えば、浄土真宗では位牌を使用しないことが一般的ですが、他の宗派では重要な役割を持ちます。浄土宗の場合、位牌は仏壇内に安置するのが基本です。一方、曹洞宗や臨済宗では位牌堂や仮位牌を使用することがあります。
これらの宗派の間で注意点が異なるため、正しい方法を知っておくことも重要です。また、祭壇や仏壇の設置位置も宗派によって異なる場合があるため、自身の家の宗派に合った形で安置してください。ただし、形式にこだわりすぎて無理をしたり、負担になってしまったりすることは避けるべきです。
まとめ
仏壇がなくても、故人を大切に思う気持ちがあれば、心のこもった供養は十分に可能です。リビングや寝室など、ご自身のライフスタイルに合った場所に祈りのスペースを設け、日々手を合わせることが何よりも大切です。
この記事で紹介した置き方や飾り方の工夫を参考に、故人との対話の時間を持ち、心穏やかな毎日をお過ごしください。
もし、お住まいの環境の変化などで、これまでのようにお位牌を安置し続けることが難しくなった場合は、プロの手を借りるのも一つの選択肢です。
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