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位牌の置き方、仏壇なしでも大丈夫?最適な場所と宗派別の注意点を解説!

更新日:11月1日

位牌(いはい)は、故人を敬い、その存在を日々の生活の中に感じるための重要な仏具です。しかし、仏壇(ぶつだん)を持たない家庭が増える中で、位牌をどのように置くべきか悩む方も多いでしょう。


本記事では、仏壇を用いずに位牌を適切に置くための基本知識から具体的な方法、さらに、それに伴う注意点や作法までを網羅的に解説します。


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仏壇がなくても位牌を祀ることはできる?

結論から言うと、仏壇がなくても位牌をお祀りすることは全く問題ありません。仏壇の有無よりも、故人を敬い、偲ぶ気持ちが最も大切です。近年ではライフスタイルの変化により、仏壇を置かない選択をするご家庭も増えています。大切なのは、形式や場所にとらわれず、日々の中で故人を想う心を持ち続けることです。たとえ仏壇がなくても、位牌を丁寧に安置し、毎日手を合わせて感謝や想いを伝えることで、故人への供養は十分に行えます。故人を想うその気持ちこそが、最も尊く意味のある供養といえるでしょう。



そもそも位牌とは

位牌(いはい)とは、故人の霊を宿すための象徴であり、日本の仏教では広く使用されています。亡くなった人の名前や戒名、生年月日、命日が記された木製の牌で、故人の霊を鎮め、供養するための道具として重要な役割を果たします。位牌はその見た目から一見簡素に見えるかもしれませんが、その背後には深い意味と伝統があります。

位牌は故人の魂が宿る場所とされています。位牌を通じて、故人の魂と対面し、偲んで手を合わせる媒体としての役割を持ちます。

故人を偲び、親族や友人が集まり、生前の感謝を伝える場を作り、礼拝対象の機能を果たし、ご先祖様から繋がる魂の連携を保つための大切な道具であり、丁重に扱う必要があります。




位牌の置き場所の選定基準

位牌を置く場所を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。

まず、位牌を置く場所は清潔で静かな場所であることが望ましいです。これは、故人への敬意を示すためだけでなく、祈りや瞑想の際に集中できる環境を作るためです。但し日本の一般的な住環境を考えると、専用の空間を割り当てることは難しいです。お位牌を置いた場所を礼拝の場所と決めて心が落ち着くように習慣つけることが大切です。


第二に、目線に近い場所に置くことが推奨されます。手を合わせたときに、座るのか立つのか、それによって視界に自然に入る高さがお勧めです。仏壇の中ではご本尊との位置関係やご先祖様との横、縦のルールに縛りがありましたが、床に置いたりすることが無ければ、、家族全員が日常生活の中で自然に故人を思い返すきっかけとなる最適な位置が推奨されます。


第三に、安全性も考慮が必要です。もし香炉や蝋燭を使われるのでしたら、火事の可能性を考慮する必要があります。カーテンの近くなどで線香や蝋燭の火を使うことは全体に避けなければいけません。

最近では、電池で炎を模した線香や蝋燭立てがありますので、それらをつかうこともお勧めです。

又地震の際に位牌が倒れたり落ちたりして壊れたりすることがないよう、安定した場所に置くことも大切です



仏壇なしで位牌を置くのに最適な場所

仏壇がない場合、どこに位牌を置くのが良いのでしょうか。故人への敬意を払い、家族が自然と手を合わせられる場所を選びましょう。


家族が集まるリビング

リビングは、家族が最も多くの時間を過ごす場所です。 家族団らんの中心に位牌を置くことで、故人も一緒に過ごしているように感じられ、日常的に故人を偲ぶことができます。テレビボードの上やサイドボードなど、少し高さのある家具の上が適しています。


静かに故人と向き合える寝室

寝室は、静かで落ち着いて故人と対話できる場所です。 朝起きた時や夜寝る前に、一日のはじまりと終わりの挨拶をすることで、故人をより身近に感じることができます。ただし、就寝時に足が向く方向は避けるように配置しましょう。


格式のある床の間や仏間

ご自宅に和室がある場合、床の間や仏間は位牌を安置するのに最も適した場所です。 これらは家の中でも格の高い場所とされており、故人への敬意を示すのにふさわしい空間です。床の間や仏間に直接置くのではなく、小さな台や棚を用意し、少し高い位置に安置しましょう。



位牌を置いてはいけない場所とは?

故人への敬意を欠いたり、位牌を傷めたりする可能性がある場所は避けるべきです。具体的には以下の場所に注意してください。


人の出入りが激しい玄関

玄関は人の出入りが頻繁で、外からのホコリも入りやすいため、落ち着いて供養できる環境ではありません。 また、来客の目に付きやすく、相手を驚かせてしまう可能性もあるため、安置場所としては不向きです。


湿気や汚れが気になる水回り

キッチンや洗面所などの水回りは、湿気が多く、位牌が傷む原因となります。 木製である位牌は湿気に弱く、カビが発生する恐れもあります。大切な位牌を長くきれいに保つためにも、水回りは避けましょう。


位牌が傷む直射日光の当たる場所

直射日光は、位牌の変色やひび割れといった劣化を引き起こす原因になります。 窓際など、日が直接当たる場所は避けて安置してください。



仏壇なしでの位牌の飾り方と工夫

仏壇がなくても、少しの工夫で心のこもった供養のスペースを作ることができます。


床への直置きは避けて棚や台を用意する

位牌を床に直接置くことは、故人に対して失礼にあたります。 必ず棚やチェスト、専用の台などを用意し、座ってお参りした時に自分の目線より少し上になるくらいの高さに安置しましょう。 清潔な布を敷くと、より丁寧な印象になります。


壁掛けの飾り棚を活用する

置き家具を設置するスペースがない場合は、壁に取り付けるタイプの飾り棚(ウォールシェルフ)が便利です。 省スペースでありながら、位牌を適切な高さに安置することができます。シンプルなデザインのものを選べば、洋室のインテリアにも自然に馴染みます。


モダンなミニ仏壇やステージ仏壇を取り入れる

最近では、伝統的な仏壇のイメージとは異なる、モダンでコンパクトな「ミニ仏壇」や、台座のみの「ステージ仏壇」もあります。 これらはインテリアに溶け込むデザインが多く、リビングや寝室にも違和感なく設置できます。故人のイメージに合ったものを選ぶのも良いでしょう。


最低限揃えたい仏具「三具足」

位牌だけを置いても問題ありませんが、より丁寧に供養するために、お参りに使う基本的な仏具を揃えることをおすすめします。

最低限揃えたいのは「三具足(みつぐそく)」と呼ばれる3点で、「香炉(こうろ)」「燭台(しょくだい)」「花立(はなたて)」をセットにして指す言葉です。

仏教ではこのセットを仏前に置くことが必要最低限とされ、宗派関係なく非常に重要視されるアイテムです。

逆にこれらを位牌の前に並べることで、小さくても心のこもった祈りの場が問題なく完成します。

意外にもチーンと鳴らすおりんは必要不可欠なものではないのですが、これを加えるとチーンという馴染みのある音とともに一層心も安定します。



宗派別の注意点

位牌の扱い方は宗派によって異なります。例えば、浄土真宗では位牌を使用しないことが一般的ですが、他の宗派では重要な役割を持ちます。浄土宗の場合、位牌は仏壇内に安置するのが基本です。一方、曹洞宗や臨済宗では位牌堂や仮位牌を使用することがあります。これらの宗派の間で注意点が異なるため、正しい方法を知っておくことも重要です。また、祭壇や仏壇の設置位置も宗派によって異なる場合があるため、自身の家の宗派に合った形で安置してください。ただしそれにこだわりすぎて無理をしたり、負担になってしまうことは避けるべきです。




不要になった仏壇の処分について

お仏壇の中にご本尊と言われるいわゆる魂入れが行われた対象がある場合は、必ず僧侶による儀式を行うことが必要です。

これは仏事や信仰の中だけのことではなく、携わる色々な考え方の中で、やっておくべき事、あるいは決まり事と捉えて、存在したご先祖様達がそこにいると考えていた事実を粗末に扱わないという礼儀の範疇でもあります。

但し僧侶の儀式も簡単には依頼できません。担当のお寺である菩提寺が本来行うべきですが、最近では檀家との関係も社会全体の中で機能していないこともあって相談する先が無かったりします。


供養と処分を専門に行う業者に相談してみるのもお勧めです。仏壇や位牌を郵送で受け付けて合同で供養し、お焚き上げまで行います。詳細は以下のホームページでご確認ください。



 

まとめ

仏壇がなくても、故人を大切に思う気持ちがあれば、心のこもった供養は十分に可能です。


リビングや寝室など、ご自身のライフスタイルに合った場所に祈りのスペースを設け、日々手を合わせることが何よりも大切です。


この記事で紹介した置き方や飾り方の工夫を参考に、故人との対話の時間を持ち、心穏やかな毎日をお過ごしください。



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