遺影の処分方法に悩んでいませんか?気持ちよく手放すための5つの選択肢を解説
- Shinji Iwata
- 5 日前
- 読了時間: 7分
ご葬儀の際に飾られた故人の遺影。
大切なものである一方、月日が経つにつれて「このまま飾り続けて良いのだろうか」「遺品整理を機に片付けたいけれど、どうすれば…」と、その扱いに悩む方は少なくありません。故人を写した写真をゴミとして捨てることには、どうしても抵抗感を覚えてしまいますよね。
しかし、ご安心ください。遺影は適切な方法で手放すことが可能です。
この記事では、ご自身でできる処分方法から、専門家にお願いする方法、さらには処分以外の選択肢まで、5つの具体的な方法を詳しく解説します。それぞれのメリットや注意点を比較し、ご自身の気持ちに最も合う方法を見つけて、心の負担を軽くするお手伝いができれば幸いです。
そもそも遺影は処分しても良いもの?
遺影の処分を考えるとき、多くの人が「罰が当たるのではないか」「故人に失礼ではないか」と不安に感じます。まず、その基本的な疑問から解消していきましょう。
宗教的な意味合いと処分の考え方
結論から言うと、遺影を処分すること自体に、宗教的な問題はありません。 一般的に、遺影は故人を偲ぶための「写真」であり、位牌のように魂が宿るものとは考えられていないためです。したがって、処分したからといって罰が当たるというようなことはありません。
大切なのは、処分するという行為そのものよりも、故人を敬う気持ちです。ご自身の気持ちが納得できる方法を選ぶことが、何よりも丁寧な供養につながります。
処分のタイミングはいつが一般的?
遺影を処分する時期に、決まったルールはありません。しかし、多くの方が区切りとして選ぶタイミングがいくつかあります。
最も一般的なのは、故人の魂が成仏するとされる「四十九日」の法要が終わった後です。 そのほか、一周忌や三回忌などの法要、あるいは引っ越しや家のリフォーム、遺品整理を本格的に開始するタイミングで処分を検討する方が多いようです。
法事で使用する予定がある場合は、それまで保管しておくと良いでしょう。
遺影の処分方法5選!費用や手順を比較
遺影を手放すには、いくつかの方法があります。それぞれの特徴や費用、手順を理解し、ご自身に合った方法を選びましょう。
処分方法 | 費用の目安 | 手軽さ | 供養の有無 | 特徴 |
自治体で処分 | 数十円〜数百円(ゴミ袋代など) | ◎ | なし | 最も費用を抑えられるが、精神的な抵抗を感じる人もいる。 |
神社・お寺で供養 | 3,000円〜10,000円程度 | 〇 | あり | 読経やお焚き上げにより、丁寧に供養してもらえる。 |
葬儀社・専門業者に依頼 | 1,000円〜5,000円程度 | ◎ | あり | 手続きが簡単で、安心して任せられる。 |
遺品整理業者に依頼 | 遺品整理全体の料金に含まれる | 〇 | オプションによる | 他の遺品とまとめて整理・処分できる。 |
デジタル化・リサイズ | 3,000円〜数万円 | △ | なし | 場所を取らずに、思い出として手元に残せる。 |
方法1:自治体のルールに沿って自分で処分する
費用をかけずに処分したい場合、自治体のゴミ回収を利用する方法があります。
遺影は宗教的な意味合いを持つものではないため、この方法を選んでも問題ありません。
手順としては、まず額縁から写真を取り出します。写真は「可燃ごみ」、ガラスや金属製の額縁は「不燃ごみ」、木製の額縁は「可燃ごみ」として分別するのが一般的です。
ただし、自治体によってルールが異なるため、お住まいの地域の分別方法を必ず確認してください。そのまま捨てることに抵抗がある場合は、写真を白い紙や布で包み、塩をひとつまみ振って清めることで、気持ちの整理がつきやすくなります。
方法2:神社やお寺でお焚き上げ供養を依頼する
「ゴミとして捨てるのはどうしても忍びない」と感じる方には、神社やお寺で供養をお願いする方法がおすすめです。お焚き上げとは、故人の思いが宿るとされる品々に感謝し、祈りを込めて炎で浄化する儀式です。
菩提寺(先祖代々のお墓があるお寺)があれば、まずはそちらに相談してみましょう。
菩提寺がない場合でも、お焚き上げを受け付けている近隣の寺社を探すことができます。費用はかかりますが、僧侶や神職が丁寧に供養してくれるため、精神的な安心感が得られます。
方法3:葬儀社や専門業者に処分を依頼する
葬儀を担当してくれた葬儀社や、遺影の供養・処分を専門に行う業者に依頼することもできます。これらの業者は遺影の扱いに慣れているため、安心して任せられるのが大きなメリットです。
多くの場合、郵送での申し込みに対応しており、自宅から遺影を送るだけで供養から処分までを一貫して行ってくれます。費用は業者によって異なりますが、手間をかけずに丁寧な処分を実現したい方には適した方法です。
方法4:遺品整理業者にまとめて依頼する
遺影の他にも整理したい遺品がたくさんある場合は、遺品整理業者に依頼するのが効率的です。遺品整理士などの専門家が、遺品の仕分けから貴重品の捜索、不用品の処分までを代行してくれます。
その過程で、遺影の処分についても相談可能です。多くの業者では、希望に応じて合同供養などのサービスも提供しています。他の遺品整理と合わせて一度に済ませられるため、時間や労力を大幅に節約できます。
方法5:デジタル化やリサイズして手元に残す
「処分はしたくないけれど、大きな遺影を飾っておく場所がない」という悩みには、この方法が最適です。元の写真を専門業者に依頼してデータ化してもらったり、L判などの小さなサイズにプリントし直したりすることで、場所を取らずに保管できます。
データ化した写真はフォトフレームで飾ったり、アルバムに収めたりすることで、いつでも手軽に故人を偲ぶことができます。 これは「処分」ではなく「新しい形の保管」であり、故人との思い出を大切にし続けたいと考える方に選ばれています。
遺影を処分する際の3つの注意点
どの処分方法を選ぶにしても、後悔しないために押さえておきたいポイントが3つあります。
故人やご先祖様に失礼にならないための心遣い
処分方法そのものに決まりはありませんが、大切なのは故人を敬う気持ちです。例えば、自分で処分する場合でも、ただゴミ袋に入れるのではなく、白い紙に包むひと手間を加えるだけで、気持ちは大きく変わります。 どのような形であれ、「ありがとう」という感謝の気持ちを込めて手放すことが、何よりの供養となります。
開眼供養の有無を確認する
非常に稀なケースですが、遺影に対して「開眼供養(かいげんくよう)」という魂を入れる儀式を行っている場合があります。もし開眼供養を行っている場合は、処分する前に「閉眼供養(へいがんくよう)」という魂を抜く儀式が必要です。
先祖代々の遺影などで、開眼供養の有無が分からない場合は、菩提寺に相談してみるのが最も確実です。
トラブルを避けるため親族間で事前に相談する
遺影は、自分一人のものではなく、家族や親族にとっても大切な思い出の品です。
自分は処分したいと思っていても、他の親族は飾り続けたい、あるいは手元に置いておきたいと考えているかもしれません。
処分を考えている場合は、必ず事前に兄弟や親族に相談し、全員が納得できる方法を見つけることが重要です。独断で進めてしまうと、後々のトラブルに発展しかねないため、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
先祖代々の遺影がたくさんある場合の対処法
家の建て替えや遺品整理の際に、先祖代々の遺影がたくさん出てきて置き場所に困るというケースも少なくありません。すべての遺影を飾ることは物理的に難しいため、対処法を考える必要があります。
一つの方法として、過去帳や家系図に故人の名前と写真をまとめ、最も新しいご先祖様(例えば祖父母など)の遺影のみを残すというやり方があります。あるいは、すべての遺影をデータ化して保存し、元の写真はまとめてお焚き上げ供養をするといった方法も考えられます。この場合も、親族間でよく話し合い、皆が納得できる形を選ぶことが大切です。
まとめ
遺影の処分は、故人との思い出と向き合う大切な時間です。処分に決まったルールはなく、最も重要なのはご自身の気持ちが納得できる方法を選ぶことです。
ご自身で感謝を込めて手放す、専門家に依頼して丁寧に供養してもらう、形を変えて手元に残すなど、様々な選択肢があります。この記事で紹介した情報を参考に、ご家族とも相談しながら、後悔のない最適な方法を見つけてください。

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