位牌を引き継ぐ子供がいない、買い替えや引っ越しで大きな仏壇を処分したいなど、礼拝対象の整理にお困りの方に、その方法やかかる費用、更に注意しておくべきことを解説いたします。
古来からの信仰や伝統の価値観から、大きく分けてご本尊、位牌、仏壇のそれぞれの対応について整理します。
・仏壇の中に安置されお祀りしているご本尊といわれる仏像や掛け軸には魂が宿っていますので魂を抜く儀式を行ってから処分するのが正しい作法です。
・お位牌には故人や先祖代々の魂が込められていますので、同様に処分の際には魂抜きが必須です。
・お仏壇は、位牌/ご本尊/掛け軸などを安置するという大事な役割を終えたのだから、粗末に扱わずお祓いをしてから捨てましょう、という考え方をしています。仏壇はただの箱なので粗大ゴミとして廃棄処分しても良いという話がありますが、供養を行ってからのほうが気持ちの整理も付けられると思います。
・そのほかに仏壇の中の仏具と呼ばれるおりん、香炉、蝋燭立て、花台など、備品が細々たくさんありますが、これらについては仏壇と一緒にお祓いが出来れば良いですし、そこまでは神経質にならずに処分しても良いと思われます。
では処分の具体的な方法を列挙して、注意すべき点を詳しく解説してまいります。
★目次
■お仏壇の処分の方法と費用
1.菩提寺に依頼する
仏壇や位牌の処分については、まずは菩提寺(お寺)に相談する事をお勧めしましす。過去からの経緯や宗派ごとの考え方もそれぞれあると思います。ただし最近よく聞くのは、「お寺とは非常にご無沙汰でお墓参りも頻繁に行けていないので相談をしにくい」とか、「そもそも自分の代になってお寺も世代が変わって付き合いがなくなった」とか、「何を相談しても相当なお金が毎回かかるので相談したくない」といった声です。
昨今では檀家離れが進みお寺さんもいろいろ大変と聞きます。ですから柔軟に対応してくれるお寺も増えています。もしお墓があるのなら今後もお世話にはなるわけですから、質問として「こんな場合はどうすれば良いか?」とやんわりと相談しておくとトラブルも回避できて良いと思います。
お寺に仏壇の供養をお願いするとお布施で3万円~10万円くらいが相場で、位牌があるとさらに別に5千円~1万円を納めるのというパターンが多いです。ただし仏前に訪問し閉眼供養は行うことは一般的ですが、そこから処分まで一連におこなってくれるかどうかはお寺ごとに事情が異なるようです。
お寺に出入れがある仏具屋さんや廃棄業者が対応してくれるのが一般的ですがそれなりの追加料金になってしまいます。
2.仏壇屋、仏具店に依頼する
買った仏壇屋さんにひきとってもらうことができます。ただし買い替えの場合以外は有料になることが多いようです。仏壇の大きさ、高さ、重さなどで見積りが変わってきます。
相場はかなり幅がありますが、引き取りにきてもらって運び出すと4万円~10万円くらいが相場のようです。お寺と繋がっているので、通常は供養まで一括してお任せできます。仏壇店は販売するときには開眼供養して魂を込めて送りだすわけですから、逆に引き取りの際もきちんと手順通りに魂を抜く必要な法要を行ってくれます。
合同供養ではなく個別をお望みならお坊さんを家に派遣して個別の供養を手配してくれるところもあります。もちろん仏壇内部のご本尊に対して専門の知識で正しい対応を行なってくれるので心強いです。
買っていない仏壇屋さんでも対応してくれるお店がありますので、お近くにあるお店に相談してみても良いと思います。但し商談になったり料金が高かったりすることを想定しておいて下さい。
3.自治体に依頼する
各自治体に粗大ゴミとして処分を依頼することができます。各自治体ごとにきまられたルールがあり、そもそも仏壇は扱っていない市区町村があったり、3辺の長さで料金を決めていたり、引き取りには行けないので処分場に運んでほしい、といわれるところもあります。
行政の粗大ゴミ引き取りの料金は、1000円~3000円ほどです。格安ですが供養は行ってくれないので、事前に閉眼供養しておく必要があります。又、引き取る場合でも指定の場所までは自分で運び出さなければなりませんので大きな仏壇ですと対応は困難です。
但し運び出し収集まで行ってくれる自治体も有ります。例えば東京都品川区は
《高齢者(65歳以上)や体に障害のある方のみの世帯で、お近くや区内にご家族やお手伝いしていただける方がいない方を対象に「運び出し収集」を行っています。粗大ごみの運び出しが困難な場合には、ご相談ください。》とホームページ(品川区 清掃事務所)に記載されていました。仏壇対応可否は分かりませんが供養は行なってくれません。
年々お年寄りが増加して、大きな粗大ゴミの廃棄の対応も変わってきています。お住いの自治体のホームページを調べるか役所の担当に連絡して地域ごとの詳細ルールは確認してみてください。
魂抜きの確認などは引き取りの申請時にもないことがほとんどですが、引き取られる前にこちらで手配しておくことが必要です。
4.不用品回収の引取り業者に依頼する
通常は不用品回収業者は処分だけで供養は行なっていません。ただし仏壇を専門に引き取ってくれる業者がいます。もちろん供養までセットで一括して面倒をみてくれます。個別の供養を僧侶の派遣まで行って対応してくれるところもあります。金仏壇の場合は買い取ってくれるケースもありますが料金はあくまで買取と引き取りの相殺なので無料で処分できるケースは稀です。
ただし専門業者でも、仏壇を特別扱いしてくれる業者ばかりではなく、不心得な業者だと大切な仏壇が不法投棄されたり一般ゴミと一緒に運ばれて廃棄されたり、僧侶による供養を行っていなかったりと信頼できない業者さんだと心配な要素が多いのが実態です。
業者さんが閉眼供養までしてくれないとすると事前にお坊さんを手配して閉眼供養を済ませる必要があります。引取の価格は大きさ別で処分が1~6万円。供養代が2~4万円で合計の請求となります。
そもそも閉眼供養していない仏壇は引き取らないし供養も行っていないという業者さんが普通なので事前に確認が必要です。
東京にある「さくらサービス東京」は、礼拝品の供養と処分の専門業者です。東京近郊に訪問引き取りの車が回っているのと、全国から郵送による受付も行っているので小さな仏壇や位牌などは全国対応で供養してくれます。
供養を前提に仏壇を訪問引き取りしており、供養のあとはリサイクルできる部品と廃棄物(事業系一般廃棄物)に分けるところまで委託管理しています。
お位牌や遺影、仏像などは一般的な業者さんはどのように処分されているのでしょうか。供養のあとは廃棄物として捨てられているのではないかと不安になります。
さくらサービス東京では合同供養が終わった後に、燃やせる供養の品(位牌、遺影、掛け軸、仏像)だけを提携先のお寺に運んでお焚き上げをして魂の供養をしています。
確実にお寺さんでお焚き上げを行っている分、位牌、遺影、掛け軸、仏像などの引き取りは仏壇とは別の料金がかかります。
■魂抜き(閉眼供養)の依頼のやり方
家にお坊さんを呼んで行う個別供養の方法と、引き取ってもらったあとに他のものと一緒に合同で供養する方法と、そのやり方は仏壇をどのように処分するかによって2通りあります。
供養は宗教法人しか出来ませんので処分の依頼先がだれであれ必ず僧侶への料金はかかっていることになります。
個別供養だとお坊さんへのお布施で予算的には高くなりますが、親族が仏前で集まって身内で手を合わせて送り出すことが出来ることは心情的にも安心で、そこが最大のメリットです。
一昔前まではこの方法が当たり前でしたが、高齢化、核家族化、都市化、仏壇のコンパクト化、檀家離れ、、などいろいろな背景があって供養のスタイルも時代とともに変化してきているのだと思います。
仏壇引き取り専門業者が開催する合同の供養の場合は一人にかかる供養のお布施代が分散して軽くなるので供養を含む処分料金全体が安くなるのが最大のメリットです。
■供養の際の宗派について
仏壇のご本尊がどの宗派でまつられているかはそれぞれです。菩提寺があってお寺の宗派でまつられているならその宗派で閉眼供養するのが一般的でした。菩提寺に依頼しなくても閉眼供養を依頼する先は同じ宗派の僧侶に来てもらうことがルールなわけです。ところがこれもいろいろな社会の背景や事業からか僧侶の派遣供養がネットで紹介されるようになってこの数年は、宗派へのこだわりは薄くなってきているのが実態です。
形式にこだわり過ぎるよりも利便性、経済性、あるいは故人本人がその意向をもっていた等、宗派の違いがそれほど閉眼供養の際に大きな問題になることはなくなってきています。先祖に感謝し、故人を想う心があれば、介在する宗教の形式は少し柔軟になってもいいんじゃないかなと言うのが最近のトレンドです。
■処分の際に気を付けること
仏壇は家のお寺だという考え方があります。ご先祖様の魂が宿るもの(位牌など)を収める場所という考え方で本来はお寺で供養されるものが魂入れをして家に祀られ身近に手を合わせられるということです。
特別な場所なので仏壇の小さな引き出しにはいろいろな大切なものが入っていたりします。大きな仏壇だと収納が多く細工が細かくて複雑だったりでつい見忘れてしまうということがあります。
又掛け軸などが奥に張り付けられたまま忘れられていたり、そもそもそれが大切なものだとご存じないケースも大変多いです。
処分の際にはくまなく仏壇の中と外を点検頂ければと思います。お札や掛け軸も宗派によってまた古いものだと取り扱いの判断に迷うものがあったりします。
できれば専門家に見てもらってその場で供養対象かどうかも意見してもらうと安心できます。
■仏壇供養専門のさくらサービス東京。仏壇処分の流れ
A.合同供養込みのお引き取りの場合の流れ
予定日にスタッフが訪問 仏壇をお引き取り
・弊社スタッフによる梱包/搬出
・弊社スタッフにお支払い(現金)
お仏壇を供養場に運搬、合同供養
・提携のお寺様の合同供養 ・解体業者のもとに運んで処分
・供養証明書を有償で発行
★合同供養の他に、自宅にご住職を呼ぶ個別供養も手配可能です。
すべての宗派に対応していますが、お任せいただくと調整が早いです。
B. ご自宅で閉眼供養の場合の流れ
予定日にご自宅にご住職が来訪
・閉眼供養の日取りの調整を弊社が実施
・当日、お布施やお車代などは一切不要 ・お位牌や仏具なども一緒に供養可能 ・ご親族に参加頂き、ゆっくりと落ち着いた法要 自宅の供養のあとで仏壇を搬出 ・閉眼供養後、引き取り(同日又は後日) ・お位牌や遺影などもお引き取り可能 ・弊社スタッフによる梱包/搬出 ・弊社スタッフにお支払い(現金)
・専門業者のもとに運んで処分
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