実家を処分する際に残った仏壇や神棚はどのように処分する?正しい方法と注意点について解説します。
- Shinji Iwata
- 2022年12月8日
- 読了時間: 9分
更新日:4月27日
急に実家の処分が決まって、不動産業者さんから残っている仏壇や神棚の撤去を急がされるという話は良くあります。他の残置物と違って、そのまま解体工事が進められないからです。
大抵の場合、不用品回収業者も、供養が終わっていない仏壇や神棚は引き取りません。お墓もそうですが石材業者も供養が終わっていないと墓石の引き上げなどは行いません。昔から信仰の対象物は、粗末に扱うと事故が起こったりするイメージがあって、仏壇や神棚を処分する際は事前に供養することが慣わしになっています。
仮にお坊さんや神主さんに来てもらって供養しても、大きくて重い仏壇の場合は他の場所に引っ越すこともスペース的に難しかったりします。
ということで退去のスケジュールが迫っている中で残った仏壇や神棚はどのように処置すれば良いのかわかりません。供養が済んでいない仏壇を持って行ってくれる回収業者は少ないですし、さらに神棚があればこれはお寺ではなく神社に持って行かなきゃいけないとなって、放置がしばらく続いて結局最後のギリギリまで残ってしまうことが非常に多くあります。
仏壇や神棚はきちんと供養しないと処分も引っ越しもできないとすると、だれにどのように依頼すれば良いのでしょうか。
本編は、実家を処分する際、手間とコストがかからない仏壇と神棚の処分の方法を分かりやすく解説していきます。

仏壇の供養と処分を簡単に行う方法について
実家にある仏壇や神棚の処分は、できればきちんと供養することをお勧めします。
宿っている魂を抜いて処分するので、仏壇やお位牌の供養を「魂抜き」「御魂抜き」「お精抜き」「閉眼供養」などといいます。 菩提寺があればまず相談するのが筋です。ただし菩提寺がない、或いは縁が薄れて相談しずらい、相談したら想定以上の費用を提示されたなどといったこともあると思います。
お墓がある実家を離れて都会で暮らすようになった子供たちは、関係が深かった親の時代と比べてお寺とのコミュニケーションが取れなくなっていることも多いです。
お寺側も代変わりして住職が息子の代になってさらに縁がなくなり、そんなに親しくないお寺に相談するのも気が引けるというのが一般的に良くある状況です。
そんな背景からお寺の役割を仲介してくれる業者が最近増えてきました。
インターネットの普及で近くのお坊さんを探したり、派遣してもらったりすることが普通にできるようになりましたし、お仏壇の供養に関しても廃棄とセットで受け付けてくれる、つまりお寺と提携して供養と引取りと処分を一括して行ってくれる専門の業者も登場しています。又仏具店でも仏壇の廃棄を受け付けてくれます。もちろん供養も行いますので古くから商売している地域密着のお店なら安心です。
実家の仏壇をそのまま引き継ぐのではなく、新しいものに買い替えて引き継ぐという方法もありますが、その場合は古い仏壇を安くあるいは無料で引き取ってもらえる仏壇店を選んで新しいものを購入し、手間をかけずに安く実家の仏壇を処分するという方法もあります。
ただし新しい仏壇の購入にコストがかかりますからトータルで考える必要があります。仏壇自体を継承するつもりなら新調することも選択肢ですから買い替えの場合は無料かあるいは安く古い仏壇の供養と処分を受け付けてくれるところが多いことを踏まえて検討して計算したほうがお得です。
最近よくあるのがインターネットなどで購入するケースですが、ネットの場合は販売店がよくわからないところだったりするので、必ず古い仏壇の処分について可能なのかと購入する仏壇の魂入れは行ってもらえるのかを確認しないと、結局自分で全て行わないとならなくなり手間と時間とお金が追加でかかります。
仏壇処分の業者をネットで探す場合は、仏壇処分あるいは仏壇供養と検索し住んでいるエリアを検索ワードに加えると、処分と供養を行ってくれる業者が仏具屋さんも含めてたくさん出てきますので確認してみてください。
神棚の処分は通常神社に持って行きます。神社で神主さんに祝詞(のりと)をあげてもらって玉串料という費用を払ってお焚き上げ処分します。その場合は運搬の必要がありますのでその辺の課題は後述します。

仏壇のなかにある仏像、掛け軸どのように処分する?
仏壇の魂抜きとは、実は仏像や掛け軸といったご本尊のことを指している場合が多いです。
つまり箱である仏壇ではなく中身の礼拝の対象の供養ということになります。
処分すると決まったならば閉眼供養をお坊さんに行ってもらってその後お焚き上げして処分することが望ましいです。お焚き上げとはお寺の境内で読教し供養として燃やして魂を天に還すという仏事の行事です。仏像も掛け軸もお位牌もこのお焚き上げの供養を最終的に行うことが供養の手順としては適正だとされています。
仏像、掛軸の供養を行えば、仏壇本体は供養が不要という考え方もあります。但しやはり祖粗大ゴミで廃棄するような処分は避けた方が気持ち的にも安心です。

仏壇のなかにある位牌はどのように処分する?
位牌にもたくさんの種類があって仏壇の中のお位牌がどのような経緯でその形で安置されているのかは様々な事情があります。
戒名を刻んだ普通のもの、先祖代々のもの、夫婦で戒名を2列に整理したもの、複数の位牌を板にして一基にまとめた繰出位牌など、お位牌にはいろいろな種類があります。位牌を作るタイミングやまとめるタイミングで必ずお寺が介在し都度法要を行っているわけですが、そのような経緯も知らない世代に引き継がれてきてもどうしてよいかも分からず扱いに困ってしまうというのが最近のよくある状況です。
昔と違って、仏壇やお位牌の承継(引き継ぐこと)は少し難しくなってきていると思います。まず先祖を崇拝し供養を継続し続けるという信仰が薄らいでいる事、次に物理的にも経済的にも礼拝対象を生活に取り込んで供養を日常化することが、今の住環境とライフスタイルに合っていないという事が挙げられます。
手元に置いた位牌に手を合わせることよりもっと合理的に個人や先祖を想い念じ感謝できる気持ちがあれば、あるいは無ければ、位牌という物理的なものを手放すという選択も、仏教徒であるという意識が薄ければ薄い程必然だと筆者は思っています。
管理する側も必ず亡くなり、その管理をまた次の代が延々と引継いでいかなければならないことが前提ですが、昔と違って核家族化し子供も少なくなっている今の時代の暮らし方に古くからの供養のスタイルが合わなくなってきている以上、墳墓、仏壇、位牌などの管理や承継の考え方も、どこかの世代(のタイミング)で変化してしかるべきだと思います。
つまり引き継ぐ人が、自分以降の管理は困難であると判断したならば、正しい処分の方法で供養の終結を果たすことも必然の決断であると思います。

仏壇のなかにある仏具はどのように処分する?
仏壇の中にあるおりん、香炉、燭台、花立などは鉄や陶器でできていて一般ゴミですてることはできません。なので仏壇と一緒に処分してもらうことをお勧めします。これも専門業者に依頼すると仏壇と一緒に供養してその後別々にリサイクル素材として処分してもらえます。引き取りの価格は業者によっていろいろですが、仏壇の処分価格に含めているところも多いのでいろいろな業者に当たってみることをお勧めします。
蝋燭や線香などのストックもあると思いますが、これらの消耗品まで供養する必要はないのですが、気持ち的に捨てられないというときはこれも業者に引き取りをお願いしてみてはいかがでしょうか。大体の場合は気持ちを汲んで快く引き取ってくれると思います。

神棚の処分の方法
神棚の場合も同様で、神社に持って行って祈祷してお焚き上げ処分します。もし余裕があるならば神棚の中に入っているお札をもらった神社に返納したほうが良いという点です。もし遠方で難しい場合は郵送でも受け付けてくれますし、他の神社のお札でも受け付けてくれる神社に返納しましょう。神社の返納所に持っていくと玉串料(祈祷料)とともに受け付けてくれて、神職の方の祝詞(のりと)のあとにお焚き上げしてくれます。神社によっては毎日お焚き上げを行っています。
神棚は持ち運びも大変で持ち込みが難しい場合がほとんどです。運び込めれば大きな神棚でも受け付けてくれるのが通常ですが、運搬することがそもそもできない方がほとんどだと思いますので、これも神棚を処分してくれる専門業者に依頼すると手間が省けます。
神棚も一緒にあつかっている仏壇処分業者がいますので、両方の処分を考えているなら両方供養して処分できる業者に依頼すると一回で全てかたずけることが可能です。この業者に確認するポイントは、お寺と神社のそれぞれに供養してもらえるネットワークがあってそれぞれ別々に仲介して適正に供養を行い適正に処分しているかどうかです。
だれがどのようにどこで供養して、さらにどのように処分しているのかを訪ねてみることをお勧めします。
供養先のお寺を具体的に教えてくれない場合は適正な供養を行えているのかどうかを疑ったほうが良いと思います。

供養の料金の相場について
供養には、お寺ですとお布施(おふせ)、神社には玉串料(たまぐしりょう)という供養に対しての謝礼金のような扱いの料金があります。
最近ではそれらの相場がネットの情報でこなれてきておりおおよそ金額感が固定化してきている状況です。
仏壇の閉眼供養はお寺に依頼してお坊さんを家に呼んで個別供養すると約3~5万円、専門業者に依頼すると仏壇の大きさによりますが2~5万円くらいが相場になってきています。神棚は5千円くらいからお札と一緒に神社に返納できます。

まとめ
実家のお仏壇を処分するには供養が必要で、お寺に頼むか仏具店や供養と処分を一括して行うことができる専門の業者に依頼できます。
神棚も同様に神社か業者に依頼することができますので、両方を取り扱っている業者を探して供養込みで処分の料金がいくらになるのかを見積って比較すると依頼先が絞れます。
供養がどのように行われているのかを確認して信頼できる業者を選びましょう。
実家を整理するなら必ずできてくる宗教がらみのもの、或いはお守りやお札など、捨てられなくて困ってしまうものは全て引き取ってもらえるはずですのででまとめておきましょう。
きっちり供養して処分して、気持ちを切り替えて新しい気分で明日からも頑張りましょう。

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仏壇、神棚、位牌、仏具を一括して引き取ります。

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