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相続放棄をしたら仏壇・位牌はどうする?祭祀財産との関係を分かりやすく解説

9月11日
読了時間: 8分

親や親族が亡くなり、借金などの事情から相続放棄を検討しているとき、

「実家に残っている仏壇には触らない方がいいの?」

「相続放棄をしたら位牌も引き継げない?」

「仏壇を供養・処分すると相続放棄に影響する?」

と心配になる方がいます。


相続放棄をすると、原則として亡くなった方の財産や債務を相続しないことになります。


しかし、仏壇や位牌などの祭祀に関する財産は、預貯金や不動産などの一般的な相続財産とは異なる仕組みで承継されます。


そのため、相続放棄と仏壇・位牌の問題は分けて考える必要があります。


この記事では、相続放棄をした場合の仏壇・位牌の扱いと、整理や供養を考える際の注意点について解説します。



相続放棄をすると、原則として相続人ではなくなります

相続放棄とは、亡くなった方の財産や債務を相続しないための手続きです。


民法939条では、相続放棄をした人は、その相続について初めから相続人ではなかったものとみなされると定められています。


したがって、預貯金や不動産などの相続財産については、相続放棄をした人が自分の財産として取得することはできません。


ところが、仏壇や位牌については少し考え方が異なります。



仏壇・位牌は一般の相続財産とは異なる「祭祀財産」です

民法897条では、系譜・祭具・墳墓について、通常の相続財産とは別の承継方法を定めています。


仏壇や位牌は、一般に祭具として祭祀財産に含まれるものとして扱われます。


そのため、「相続放棄をした=仏壇や位牌も一切引き継げない」ということではありません。


法テラスも、仏壇やお墓などの祭祀財産は相続の対象ではなく、相続放棄をしても受け継ぐことができると説明しています。



祭祀財産そのものについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。




相続放棄と祭祀承継は別の問題です

ここがこの記事で最も重要なポイントです。


一般の相続財産を相続することと、祭祀財産を承継することは同じではありません。


例えば、「父親に借金があったため相続放棄をした。しかし、先祖代々の位牌については自分が供養していきたい」というケースが考えられます。


相続放棄をしたからといって、それだけを理由に祭祀財産を承継できなくなるわけではありません。


反対に、相続人であるというだけで、当然にその人が祭祀承継者になるとも限りません。


つまり、「相続人は誰か」「祭祀を承継する人は誰か」は分けて考える必要があります。



相続放棄をした人が仏壇や位牌を供養しても大丈夫?

ここは慎重に考える必要があります。


祭祀財産としての仏壇・位牌を承継すること自体は、一般の相続財産を取得することとは異なります。


一方で、実家には仏壇・位牌だけでなく、家具、現金、貴金属、家電、不動産その他の相続財産が残っていることがあります。


そのため、「仏壇を整理するついでに家の中の財産も処分する」といった行為まで、祭祀財産の整理と同じものとして考えるべきではありません。


相続放棄を予定している場合や、すでに申述している場合には、相続財産の処分に関する判断を自己判断で進めず、司法書士や弁護士などの専門家へ確認することをおすすめします。



「仏壇を処分すると相続放棄できなくなる」と一律には言えません

インターネット上の情報では、「相続放棄するなら故人の物には一切触ってはいけない」という説明を見かけることがあります。


しかし、仏壇や位牌などの祭祀財産と、預貯金・不動産などの一般的な相続財産は同じではありません。


したがって、「仏壇を供養した・整理した=必ず相続放棄ができなくなる」と単純に判断することは適切ではありません。


ただし、対象物が本当に祭祀財産に当たるのか、誰が所有しているのか、どのような行為をするのかによって判断が変わる可能性があります。


特に高価な仏具や美術品などが含まれている場合には注意が必要です。


国税庁も、日常礼拝に使用する仏壇・仏具などは相続税がかからない財産として挙げる一方、骨とう的価値があるなど投資対象となるものや商品として所有するものは別扱いとしています。



誰が祭祀財産を引き継ぐのか確認する

相続放棄の有無だけで、仏壇・位牌を誰が引き継ぐかが決まるわけではありません。


民法897条では、祭祀財産の承継について、被相続人による指定がある場合にはその指定に従い、そうでない場合には慣習、慣習が明らかでない場合には家庭裁判所が定める仕組みになっています。



家族間で問題なく話がまとまっている場合もありますが、「長男が相続放棄した」「姉妹のどちらが位牌を引き継ぐか決まらない」「誰も仏壇を置けない」といったケースでは、一般の相続手続きと祭祀承継を切り分けて整理することが重要です。



相続放棄後も仏壇・位牌を引き継ぎたい場合

祭祀承継者となり、今後も供養を続けるのであれば、仏壇・位牌を自宅などへ移して供養を続ける方法があります。


ただし、大型の仏壇を現在の住宅へ置けない場合もあります。


その場合には、仏壇は供養して整理し、位牌だけを引き継ぐという方法もあります。


また、複数の位牌がある場合には、今後の供養の形に合わせて整理する方法も考えられます。




相続放棄後に仏壇・位牌を引き継げない場合

祭祀財産を承継することと、実際に大きな仏壇を自宅で維持し続けることは別の問題です。


住宅事情、家族構成、遠方居住などによって、従来の形で供養を続けることが難しい場合もあります。


その場合には、


  • 仏壇を供養して整理する

  • 位牌だけを残す

  • 位牌をまとめる

  • 位牌についても供養を行って整理する


など、今後継続できる方法を検討します。


「承継できるか」だけでなく、「これから無理なく供養を続けられるか」まで考えることが大切です。



空き家に仏壇・位牌が残っている場合

相続放棄の相談では、亡くなった方の家が空き家になっており、その中に仏壇や位牌が残されているケースもあります。


この場合には、仏壇だけを見て判断するのではなく、家の中に一般の相続財産も残されている可能性を考える必要があります。


特に相続放棄前後は、家財の処分などを自己判断で進めず、必要に応じて専門家へ確認してください。


仏壇・位牌の整理そのものについては、こちらでも詳しく解説しています。




相続放棄について迷ったら司法書士・弁護士へ確認を

相続放棄は法律上の手続きです。


「この仏壇は祭祀財産として扱われるのか」

「家財を処分しても相続放棄に問題はないのか」

「祭祀承継者は誰になるのか」


など、個別案件について判断が必要な場合には、司法書士や弁護士などの専門家へ相談してください。


仏壇・位牌の供養事業者が、相続放棄の可否について法的判断をするものではありません。


この「法律判断は専門家、実際の供養・搬出は供養事業者」という役割分担を明確にしておくことが、今回の記事では重要です。


司法書士・士業の先生方へ

相続放棄や遺産整理の案件で、


「実家に仏壇が残っている」

「依頼者は相続放棄したが、位牌について相談されている」

「仏壇・位牌の供養先を案内したい」


といったケースがありましたら、供養・搬出の実務について、さくらサービス東京へご相談いただけます。


相続放棄そのものについての法的判断は先生方にお願いし、仏壇・位牌の供養が必要になった段階から実務をお引き受けするという連携が可能です。


位牌は全国から郵送で受け付け、仏壇については関東圏を中心に引き取りに対応しています。




さくらサービス東京では仏壇・位牌の供養に対応しています

さくらサービス東京の仏壇引き取りは、僧侶による供養を含むサービスです。


お引き取りした仏壇は、提携寺院の僧侶による供養を行ったうえで適切に処分しています。


位牌についても、提携寺院の僧侶による閉眼供養(魂抜き)を行ったうえでお焚き上げしています。


位牌のみの場合には、全国から郵送でご依頼いただくこともできます。




まとめ|相続放棄と仏壇・位牌の承継は分けて考える

相続放棄をしたからといって、仏壇や位牌などの祭祀財産まで必ず手放さなければならないわけではありません。


一般の相続財産と祭祀財産では、承継の仕組みが異なるためです。


大切なのは、相続放棄の問題祭祀財産を誰が承継するかという問題承継した仏壇・位牌を今後どう供養するかという問題を分けて考えることです。


相続放棄への影響など法的判断が必要な場合には司法書士・弁護士へ相談し、仏壇・位牌の供養や搬出が必要になった場合には寺院や専門事業者へ相談するとよいでしょう。


≪参考資料≫

本記事の作成にあたり、以下の公的資料を参照しています。

・法テラス|相続放棄をした場合、仏壇やお墓などを受け継ぐことはできないのでしょうかhttps://www.houterasu.or.jp/site/faq/sozoku-houki-008.html

・e-Gov法令検索|民法(第897条・第939条)https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の相続放棄や祭祀財産について法的判断を行うものではありません。個別の事情については、司法書士・弁護士等の専門家へご相談ください。


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