先祖代々の位牌を何年も管理してきたけれど、自分から次の世代へ託す人がいない場合は、位牌の供養処分を今後どうするかを検討しなければなりません。又、自分の親の位牌はもちろんわかるが、他に古いよくわからない位牌も引き受けていて一緒に持っている、というかたも多いはずです。
仏壇の中にある位牌は仏壇の中に入れっぱなしで見たことも無い、という方がこれからシニアになって「そういえばそろそろ考えておかないといけないなあ」と思い始めたりします。今はまだまだ元気だと思っていても、いつかは老人ホームに引っ越したり、病院に入院なんてことになれば、いままでのように家の仏壇の前で供養を続けるといったことができない可能性があります。
例えば仏壇は小さいものに買い替えて引っ越し先が狭くなっても大丈夫なようにしておくとか、お位牌の処分のことは菩提寺に相談だけしておくとか、事前にできることがたくさんあります。
本編は「そろそろお位牌の供養や処分の方法について検討しておきたい」とお考えの方向けに解説していきます。
お位牌は弔い上げ(とむらいあげ)で処分/統合されていく
処分するという意味は捨てるということではなく、位牌に入っている故人の魂を先に仏様となっているご先祖様の魂と一緒に祀ることでお位牌そのものは適切に失くすことになります。そのタイミングを弔い上げ(とむらいあげ)と言いますが、そこからはお位牌は1基に統合されまとめられます。
具体的には戒名か書かれた位牌の魂を先祖代々にまとめた位牌に移すという儀式を僧侶に行なってもらい、魂を抜いた戒名が書かれた位牌の木の札は燃やして供養します。
そして統合された先祖代々の位牌を守っていくことになります。
では、今現実手元に残っている位牌を処分するためには、何を知り何をする必要があるのでしょうか?
自分の親の位牌は法要も含めて管理できているけれども、それ以外の位牌が複数あってどこまで法要や供養を管理していたのか分からないという方も多いと思います。
そして親の位牌も自分の代までしか管理できないという方も。。。。
年忌法要と弔い上げについて
一般的には法事と呼ばれている故人が亡くなった命日に行う儀式を年忌法要といいます。一年後の命日が一周忌でその後2年後が三回忌で亡くなった年も含めて数え(1を引く)、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、五十回忌と法要が続きます。
年忌法要をいつまで続けるのかは、宗派、地域や慣習、菩提寺の考え方によって異なりますが一般的には三十三回忌か五十回忌を最後とすることが多く、法要を切り上げることを「弔い上げ(とむらいあげ)」と呼びます。何回目であってもその回の年忌法要を最終回とすれば、そのタイミングが弔い上げということになります。
慣習として一般的には弔い上げは三十三回忌で行われることが多いので、弔い上げと三十三回忌は同じものだと勘違いされている人が多いのですが、年忌法要はいつ切り上げても構わないとされていて、弔い上げを早く行って個人の位牌を早めになくすことは宗教上も問題ありません。但しこれも厳密には地域やお寺によって考え方が少し違ったりして必ずしも万能な見解ではありません。しかし全体トレンドとしてはどんどん柔軟な方向に傾いています。
最近では慣習を守ろうにもライフスタイルが昔と大きく違っているので、なかなか法事をきっちり継続して行うことも難しくなってきていると思います。そもそも子供たちは皆都会に働きに出てしまって、お墓や仏壇のある場所には住んでいないことが多く、その次の世代になると法要を引き継ぐ意思があってもお寺と縁が薄かったり、田舎に帰る頻度も少なかったり、そもそもお墓参りに行くことさえ遠方で難しかったり、法要や供養の管理を引き継ぎにくい事情があったりします。これが今のシニア層です。
少子高齢化という日本の人口年齢層の推移によって、ご先祖様をお祀りし供養する後継ぎが先細っていくという事実は、構造上の背景として明確に存在しています。
当然の傾向として、七回忌以降の法要を省略し弔い上げだけを行ったり、早めに十七回忌を節目に切り上げて弔い上げするようなケースが増えてきています。
そうなると経験や知識のない若い世代が関わってくる機会も増えて、仏壇や位牌の扱いについて悩む方が急増するという事にことになります。実際に若い方からの問い合わせが急増しています。
又子供が女性だけだったので実家の親の位牌や仏壇を(嫁ぎ先に)持ってきたという方もよく聞きます。
ここまでのまとめ
●お位牌は弔い上げのタイミングで先祖代々に纏められていくもの。
●少子高齢化から位牌を管理する子供は減り、娘だけの家も含め、家系以外の位牌も預って複数の位牌を所持しているケースも増えている。
●弔い上げまでの期間も早まる傾向だが、位牌を複数持ち続けているという方も多い。
個人のお位牌を処分してご先祖様のお位牌と一緒にするサイクルははやくなっていて一方では手元に複数の位牌を管理している人たちが増えている状況は、昔ながらの慣習やルールが現代に馴染まず、位牌や仏壇の承継が負担となるかあるいは逆に無関心になっているというふうにも見えます。
あるタイミングで決断を迫られるというのが自然な流れであり、どこかで区切りをつけることは今後増え続ける終活期の人達が必ず抱える【宿題】とも言えます。
位牌、仏壇などの処理の悩みを解決するにあたり、ここからは「位牌の最終的な扱い方」について解説します。
故人の位牌を処分するために諸々無理する必要はない
弔い上げを終えると故人の魂は先に仏様となっているご先祖様の魂と一緒に祀られると書きましたが、年忌法要を早めに最終回にするのはあくまで法要の継続が難しいという理由からです。逆に位牌の扱いは、法要に無理に合わせなくともいつでも魂抜きが可能ですし、魂抜きが終わった位牌をそのまま持っていても問題無いとおっしゃるお坊さんもいます。供養の気持ちで手を合わせる対象が身近に欲しいからと魂抜きの後お焚き上げしないケースもあります。
法要でみんなが集まるのは難しい時期に来たなと思えば最終回を意識すれば良いですし、位牌の管理が今後心配となれば処分を検討するという流れになります。昔は何でもお寺に相談してお寺の考え方が行動指針になっていました。今でも菩提寺があれば「お寺の言う通りにすべき」というのが一般論です。宗教上正しく慣習を曲げないことが大切だという考え方からです。
但し、現代の生活において、全国どこでもお寺の指導で生活に負担なくご先祖様や故人への供養を子孫に伝えていけるかというと疑問です。これだけ「どうしたらいいのか分からない」という方が増えている以上は、専門家の意見も聞きながら正しい知識で自分の考えをもって、最適な選択をしてくことが最善だと考えます。もちろん相談できるお寺があれば相談し、自分以外にふさわしい承継者がいないか検討し、先祖が行なってきたことを無駄にするのではなく、理由と必然を持って供養の今後の在り方を導き結論付けていくことが重要だと思います。つまり処分の方法よりも、そのタイミングが重要です。あとは無理をせず事情にあった負担のない方法を選択すれば、ご先祖様も故人も喜んで安心して気持ちよく子孫を見守りながら天に還れると思うのです。供養のために苦労しては見守る側としても意味が無いのは当たり前です。
位牌を処分する方法
位牌の処分は、「お焚き上げ」と「永代供養」があります。どちらかというわけではなく依頼先や供養のスタイルによります。
「お焚き上げ」
位牌を処分する方法の1つが、焼却して灰にして宿っていた魂を天に還す供養である「お焚き上げ」です。先に取り上げた魂抜きを執り行って故人様とご先祖様の魂を抜いたことで単なるモノになった位牌はお焚き上げで焼却できるようになります。位牌は、故人やご先祖様の魂が入っていた依り代ですので最後はお焚き上げを行うのが一般的です。但し注意すべきは、お焚き上げというワードが処分の最善の方法のように使われていますが、実際に大切なのは燃やす前に行う魂を抜くという作法(法要)であって、燃やすことだけが重要なことではありません。「お焚き上げ」サービスに依頼するときは、位牌の魂抜きという作法をきちんと行っているのかどうかを確認することをお勧めします。焼却炉にどさっと放り込まれるような粗末な処分にならないように供養と処分の工程や、その考え方を大切にしましょう。
燃やすこと(お焚き上げ)は、位牌を処分する手段の1つですが、燃やすこと(お焚き上げ)が目的ではありません。あくまで魂を抜くという儀式に重きを置いてください。
「永代供養」
もう1つの方法が「永代供養」です。永代供養は、寺院や霊園に位牌を預けることでご家族に代わって永続的に供養をしていただくことができます。ご自宅で維持していくことが難しい方や承継者がいらっしゃらない場合に選ばれます。 永代供養は永久に位牌を預かっていただけるわけではなくたいていは期間が決まっていて、一定の年数を超えると合同で供養されるようになりその時点でお位牌は処分されます。預かっていただける期間についても事前に確認しておきましょう。
つまり寺院に依頼すると承継者の手を離れそれ以降の管理と供養をお寺の住職にお任せすることになりますが、永遠に位牌を置いて個別に供養していただけるわけではなく、一定の期間を過ぎると合祀といって全体と一緒になって供養されるタイミングが到来し、その時点でお位牌はお焚き上げされるというのが一般的です。
お位牌は必ず処分すべきもの?
お位牌に限らず、仏壇やお墓もそうですが、供養をどのように継続していくのかということが大切です。だれがどのようにご先祖様の供養を継承していくのかの決めておかないと子供達は結局自分達はどうすべきなのかをなんの申し送り情報もない中で迷ってしまうことになります。
ご先祖様のお位牌を自分の代でお焚き上げしてしまおうとか、子供にもわかる祖父母の代のお位牌までは残しておこうとか、全て無いほうが子供達も面倒をかけずに済むのでお寺に預けて永代供養にしようとかを決めて処置しておくべきです。
その中で仏壇やお墓は処分したけど、位牌は少し手元に置いておきたいなということであれば宗教上の問題もありません。
つまり管理する人が居なくなったときに困らないように準備しておくことが重要なのです。
最近は仏壇さえ無くして、位牌と遺影、香炉とおりんのみがタンスの上に置いてあるといったとても簡易なスタイルも増えています。手を合わせる対象が明確であればその形(仏事上の推奨も含め)にはこだわらなくても良いと筆者は考えます。
承継問題について
ご先祖様のものはもとより、身近な親兄弟の葬式からずっと手を合わせてきたお位牌などは、これからどのようにして引き継いでいけばいけば良いのか不安になります。元気なうちは良かったのですが、自分が死んだあとはどのように管理されるのか考えなければいけない年になってくると、永代供養や魂抜きをしてお焚き上げしてしまうといったことも選択肢として具体的に検討せざるおえません。
宗教感やら生活事情やら、いわゆるライフスタイルというものが早いサイクルで変化していることもあって、昔の価値観のまま現状維持のスタンスでいるといざというときに次世代にうまくつなげていくことが難しくなっていたりします。
子供たちには目の前に現実の生活があり、大きな仏壇を置く居住スペースはなく位牌に手を合わせて拝むような慣習も無くなってしまっていて、それらを自分達の生活圏内に保持することに違和感を感じることになるのは明白です。承継という名目で押し付けることが大きな負担となり、子供たちを苦しめてしまうことになりかねません。
価値観の変化と信仰の継続性
承継問題の課題は、なんとなく大切なものだとは知りつつも、どのように管理し次世代に繋げていくべきなのかを事前にきちんと伝わっていないことが大きな原因です。お金の相続でさえきちんと遺言が無いのですから、お墓や仏壇、位牌などの処遇はきちんと伝えておく意識をもちましょう。管理している自分達も教えられずに引き継いだという人が今度は引継ぐ側となり次世代を悩ませることになります。
菩提寺を呼ばれるお世話になっているお寺から宗教上のルールや慣習を教えてもらってありがたくその通りに守ってきたわけですが、日本人の子供達はもうかなり前の時代から故郷を出て都会に移り住み独立する形で核家族化し、田舎のお寺とはその関係も薄れさらにそれぞれが世代交代し、その結果昔ながらの慣習を守り伝えることや信仰スタイルを継続しその情報を正しく知ることさえ負担になってきています。
お家の信仰やご先祖様をお祀りする形式も、それぞれの事情やいまの親族の考え方土地がらなどによって全く変わってくるものですから、「こうすれば間違いは有りません」といった万能な承継課題の解決方法は有りません。
少なくともお墓や仏壇を整理し位牌を処分せざる負えない人が最近すごい勢いで増えてきていることは確かですから、合理的で割り切った考え方を受け入れながら、供養し処分してくれる業者に任せるという方法も検討頂きたいと思います。
供養の専門業者 さくらサービス東京
さくらサービス東京は供養から処分まで一括して任せられる業者です。
倉庫に積上げた供養品に坊さんが読教して合同供養を行っているわけではありません。あくまでも一つ一つの供養の品に向き合って粗末な扱いにならないように、そして魂を丁寧に抜いてその魂は安心して天に還るように個別に供養を行っています。
自社で運営する供養場も提携先の寺院の監修のもと、宗教感、品格や内装を整えて運営しております。
毎月100点を超える供養品が集まりますので、丁寧に個別に読教がいきわたるように法要も月に複数回行って粗末な扱いにならないような仕組みを取っています。
供養の様子を録画してお寺の証明書を全員に発行して、その動画で供養の確認が取れるような素晴らしい仕組みの業者様もいらっしゃいますが、その手間や管理経費が料金に転嫁されてお布施の相場を超えるような費用を課したりするようなことが無いように、さくらサービス東京では信頼を前提に、丁寧な供養と安価な料金を両立させています。※恐縮ですが23区外のお客様からは訪問の引き取りには出張料金を頂いております。又位牌は郵送にて受け付けていますが送料は御負担頂いています。
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