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親が亡くなったら仏壇はどうする?継承から処分までの手順と費用を解説

親御様が亡くなられた後、実家に残された仏壇をどうすれば良いのか、多くの方が悩まれる問題です。ご自身の住まいやライフスタイルが変化する中で、これまで通りに仏壇を守っていくことが難しい場合もあるでしょう。しかし、ご先祖様を敬う気持ちから、ぞんざいには扱えない大切なものです。

この記事では、親が亡くなった後の仏壇の扱いについて、継承、移動、買い替え、処分といった選択肢を具体的に解説します。それぞれの手順や費用、注意点を理解し、ご自身とご家族にとって最も納得のいく方法を見つけるための一助となれば幸いです。

 


親が亡くなった後、仏壇の今後はどうする?

親御様が大切に守ってこられた仏壇は、ご家族にとってご先祖様との繋がりを感じられる大切な場所です。だからこそ、その今後については慎重に考え、関係者でしっかりと話し合う必要があります。


まずは親族で話し合うことが大切

仏壇の今後を決めるにあたり、最も重要なのは兄弟姉妹や親族間での話し合いです。誰か一人の判断で話を進めてしまうと、後々「聞いていなかった」「なぜ処分したのか」といったトラブルに発展しかねません。

それぞれが仏壇に対してどのような想いを抱いているのか、今後の供養をどうしていきたいと考えているのかを共有し、全員が納得できる結論を出すことが大切です。特に、処分(供養じまい)を検討する場合には、丁寧な合意形成が不可欠です。


誰が仏壇を継承するのかを決める

かつては長男が家督と共に仏壇を継承するのが一般的でしたが、現代では民法897条により、①被相続人の指定、②慣習に従った祭祀主宰者、③家庭裁判所が定めた者の順で継承者が決まります。話し合いの上で、今後、責任をもって供養していける方が継承者となるのが望ましいでしょう。

継承者の決め方

ポイント

話し合い

兄弟姉妹・親族間で、それぞれの住環境や供養への考え方を話し合う。

親の遺言

親御様が生前に継承者を指定している場合は、その意向を尊重する。

慣習

特定の地域や家系に慣習がある場合は、それを参考にすることも一案です。

家庭裁判所の判断

話し合いで決まらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることも可能です。

継承者が決まらない場合は、仏壇をどうするのか、次のステップに進むことになります。



 

仏壇の今後のための4つの選択肢

親族での話し合いを経て、仏壇の今後について具体的な方法を検討します。主な選択肢は「継承」「移動」「買い替え」「供養じまい(処分)」の4つです。それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に最も適した方法を選びましょう。


選択肢1:仏壇をそのまま継承する

実家をそのまま受け継ぐ、あるいは同居していた方

特に大きな変更は必要ありませんが、これからはご自身が中心となってお世話をしていくことになります。


選択肢2:場所を移して供養を続ける

継承者が実家とは別の住まいに仏壇を移動させて供養を続ける方法です。ご自身の住まいに仏壇を置くことで、日常的にご先祖様と向き合うことができます。ただし、仏壇を置くための十分なスペースが必要になります。移動の際には、後述する「魂抜き・魂入れ」の儀式が必要になる点も覚えておきましょう。


選択肢3:小さい仏壇に新しく買い替える

「仏壇を引き継ぎたいけれど、今の住まいには大きすぎて置けない」という場合に有効なのが、現代の住環境に合わせたコンパクトな仏壇に買い替える方法です。家具の上に置ける上置きタイプや、インテリアに馴染むモダンなデザインのものなど、様々な種類があります。仏壇を買い替えることはご先祖様に対して失礼にはあたりません。むしろ、お住まいを新しくすることと捉えられ、丁寧な供養に繋がるという考え方もあります。


選択肢4:供養じまい(処分)する

継承者がいない、管理が難しいなどの理由で、やむを得ず仏壇を処分する方法を「供養じまい」や「仏壇じまい」と呼びます。単に物として捨てるのではなく、お寺や専門業者に依頼し、後述する「閉眼供養」という儀式を経て、適切に処分します。ご先祖様への感謝の気持ちを込めて、最後まで丁寧に対応することが何よりも大切です。

 

仏壇を継承・移動する際の手順と注意点

仏壇をご自身の住まいに移動させる場合は、いくつかの手順と注意点があります。ご先祖様に失礼のないよう、正しい知識をもって進めましょう。


仏壇を安置する場所を確認する

仏壇を移動させる前に、まずは新しい安置場所を決めましょう。宗派によって推奨される方角がある場合もありますが、厳密な決まりはありません。直射日光や湿気を避け、家族が日常的にお参りしやすい、清浄な場所を選ぶことが大切です。


宗派による作法に違いがあるか確認する

仏教には様々な宗派があり、仏壇の飾り方やお参りの作法が異なる場合があります。ご実家の宗派が分からない場合は、親族に確認したり、菩提寺があれば問い合わせてみましょう。 宗派が異なると、本尊や仏具の扱いも変わってくるため、事前に確認しておくと安心です。


移動の際は閉眼供養と開眼供養を行う

仏壇を移動させる際には、移動前に「閉眼供養(魂抜き)」を行い、移動後に「開眼供養(魂入れ)」という儀式を執り行います。これは、仏壇に宿っているご本尊やご先祖様の魂を一度抜き、新しい場所で再びお迎えするという考え方に基づくものです。


儀式の種類

内容と目的

閉眼供養(魂抜き)

仏壇を動かす前に、僧侶に読経してもらい、仏壇に宿る魂を抜く儀式。これにより、仏壇は「ただの物」としての扱いが可能になります。

開眼供養(魂入れ)

新しい場所に仏壇を安置した後、再び僧侶に読経してもらい、魂を宿す儀式。これにより、仏壇は再び礼拝の対象となります。

これらの儀式は菩提寺に依頼するのが一般的ですが、お付き合いのあるお寺がない場合は、仏壇店や供養の専門業者に相談することもできます。


 

仏壇を供養じまい(処分)する正しい手順

様々な事情から仏壇を処分せざるを得ない場合も、正しい手順を踏むことで、ご先祖様への敬意を示すことができます。焦らず、一つ一つの段階を丁寧に進めましょう。


手順1:閉眼供養(魂抜き)を依頼する

仏壇を処分する際、最初に行うべき最も重要な儀式が「閉眼供養(へいげんくよう)」です。これは「魂抜き」や「お性根抜き」とも呼ばれ、僧侶の読経によって仏壇に宿るとされる魂を抜き、礼拝の対象から「ただの物」に戻すための儀式です。この儀式を経ずに処分することは、絶対に避けなければなりません。


手順2:仏壇本体の処分方法を決める

閉眼供養を終えた仏壇は、家具と同様に処分することが可能になります。主な処分方法としては、菩提寺や仏壇店、専門業者に引き取ってもらう方法があります。自治体によっては粗大ごみとして回収してくれる場合もありますが、事前にルールを確認し、ご先祖様が宿っていたものとして、最後まで丁寧に扱う気持ちが大切です。


手順3:位牌や本尊を永代供養する

仏壇を処分しても、中に安置されていた位牌やご本尊(仏像や掛け軸)は、引き続き供養が必要です。菩提寺などに納めて「永代供養(えいたいくよう)」をしてもらうのが一般的です。永代供養とは、お寺が家族に代わって、永続的にご遺骨や位牌を管理・供養してくれる制度のことを指します。


 


仏壇の処分にかかる費用の内訳と相場

仏壇の処分には、いくつかの費用がかかります。依頼先や仏壇の大きさによって金額は変動するため、事前に見積もりを取るなどして、おおよその目安を把握しておきましょう。


閉眼供養でのお布施の目安



仏壇本体の処分費用の目安

閉眼供養後の仏壇本体の処分にかかる費用です。依頼先によって大きく異なります。

依頼先

費用相場

特徴

菩提寺

1万円~10万円

お付き合いがあれば相談しやすい。お焚き上げまで行ってくれることが多い。

仏壇店

2万円~8万円

買い替えの場合は無料で引き取ってくれることも。閉眼供養から一括で依頼できる場合もある。

専門業者

2万円~8万円

閉眼供養から処分まで一貫して依頼可能。費用が明確な場合が多い。

自治体

500円~3千円

粗大ごみとしての処分。費用は安いが、閉眼供養は別途手配が必要。


費用の総額は依頼先によって変動する

結果的に、仏壇の処分にかかる総額は「お布施」+「処分費用」で、おおよそ5万円~15万円程度が目安となります。複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較検討することをおすすめします。

 

仏壇の処分はどこに依頼できる?

仏壇の処分を実際に依頼する先は、主に3つあります。それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に合った依頼先を選びましょう。


菩提寺(お付き合いのあるお寺)

先祖代々お世話になっている菩提寺があれば、まずは相談してみるのが良いでしょう。閉眼供養から仏壇の引き取り、お焚き上げまで一貫してお願いできる場合があります。長年のお付き合いがあるため、安心して任せられるのが最大のメリットです。


仏壇・仏具店

仏壇を購入したお店や、近隣の仏壇・仏具店でも引き取りや処分を受け付けていることが多くあります。仏壇の買い替えを同時に行う場合は、古い仏壇を割引価格や無料で引き取ってくれるサービスを行っている場合もあります。閉眼供養を行う僧侶の手配も併せて相談できることが多いです。


遺品整理・供養じまい専門業者

近年では、遺品整理や仏壇じまいを専門に行う業者も増えています。料金体系が明確で、閉眼供養から処分、位牌の永代供養まで、すべてをまとめて依頼できるのが特徴です。菩提寺とのお付き合いがない場合や、手続きを一度で済ませたい場合に便利な選択肢と言えるでしょう。


 


仏壇の扱いでよくある質問

ここでは、仏壇の扱いに関して多くの方が抱く疑問にお答えします。


実家に仏壇がない場合はどうすれば良い?

親が亡くなった際に仏壇がなかった場合、必ずしも新しく購入しなければならないわけではありません。しかし、故人を偲び、手を合わせる場所が欲しいと感じる方も多いでしょう。その場合は、四十九日や一周忌といった節目に合わせて、新しく購入を検討するのが一般的です。現代のライフスタイルに合わせたコンパクトな仏壇や、写真立てなどと一緒に置けるステージ型の手元供養品など、様々な形があります。



仏壇を処分することに罪悪感がある場合は?

ご先祖様が大切にしてきた仏壇を自分の代で処分することに、申し訳ない気持ちや罪悪感を抱くのは自然なことです。大切なのは、なぜ処分せざるを得ないのかという事情と、これまでの感謝の気持ちをご先祖様に伝えることです。閉眼供養の際に僧侶にその気持ちを打ち明け、丁寧に供養してもらうことで、心の負担が軽くなることもあります。供養の形は時代と共に変化します。形にとらわれず、敬う気持ちを持ち続けることが最も重要です。


賃貸住宅に仏壇を置いても問題ない?

賃貸住宅に仏壇を置くこと自体は、基本的には問題ありません。ただし、契約書に仏壇の設置に関する記載がないか、念のため確認しておくとより安心です。注意点としては、お線香の使用です。火の取り扱いには十分に注意し、火災報知器が作動しないよう配慮が必要です。また、壁に釘を打つなど、退去時に原状回復が必要となるような設置方法は避けましょう。

 

まとめ

親が亡くなった後の仏壇の扱いは、ご家族にとって非常にデリケートで重要な問題です。まずは親族間で十分に話し合い、全員が納得できる方向性を見出すことから始めましょう。

継承、移動、買い替え、処分といった選択肢の中から、ご自身のライフスタイルや価値観に合った最適な方法を選び、最後までご先祖様への感謝と敬意を忘れないことが大切です。

 

もし、ご親族と話し合った結果、やむを得ず「処分(供養じまい)」という道を選ばれる場合でも、罪悪感を抱く必要はありません。大切なのは、感謝を込めて、最後まで丁寧にご供養することです。

 

「さくらサービス東京」では、そうしたお仏壇の供養じまいを専門に承っております。この記事で解説した「閉眼供養(魂抜き)」からお仏壇本体の処分まで、提携寺院にて責任をもって一貫してサポートいたします。

 

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