浄土宗の位牌処分はどうすればいい?正しい手順と費用、注意点を解説
- Shinji Iwata

- 2025年12月28日
- 読了時間: 8分
親御様が亡くなられた後、仏壇や位牌の扱いに悩まれる方は少なくありません。
特に「位牌の処分」となると、「どうすればご先祖様に失礼がないだろうか」「作法を間違えてしまったらどうしよう」と不安に感じることでしょう。
大切な故人の魂が宿る場所だからこそ、その扱いは慎重に行いたいものです。この記事では、浄土宗の教えに沿った正しい位牌の処分方法について、準備から具体的な手順、費用相場、そして注意すべき点まで、分かりやすく解説します。
浄土宗の位牌、処分する前に知っておきたいこと
位牌の処分を考える前に、まずは浄土宗における位牌がどのような意味を持つのか、そしてどのようなタイミングで処分を検討することになるのかを理解しておくことが大切です。基礎知識を持つことで、より安心して手続きを進めることができます。
故人の魂が宿る「位牌」の役割とは
位牌は、故人の戒名(かいみょう)や法名を記した木製の札で、故人の魂が宿る「依り代(よりしろ)」とされています。私たちが仏壇の前で手を合わせる時、その視線の先にある位牌は、単なる木の札ではなく、故人そのものを象徴する大切な存在です。浄土宗においても、位牌は阿弥陀如来への信仰の対象であるご本尊とともに、家庭で故人を偲び、供養するための重要な役割を担っています。
位牌を処分することになる主なタイミング
本来、位牌を安易に処分することはありません。しかし、やむを得ない事情で処分を検討しなければならない状況も存在します。
弔い上げ:三十三回忌や五十回忌などを区切りとして、個人の位牌から「〇〇家先祖代々」といった形の先祖位牌にまとめる際、元の個人の位牌が不要になります。
位牌の劣化:長年お祀りしてきた位牌が傷んだり、壊れたりした場合に、新しい位牌に作り替えるタイミング。
継承者の不在:お仏壇や位牌を受け継ぐ方がいなくなってしまった場合や、家の事情でどうしても仏壇を維持できなくなった場合。
お仏壇の買い替え:引っ越しやリフォームに伴い、新しい仏壇のサイズに合わなくなるなどの理由で位牌も新しくする場合。
浄土宗の位牌処分で必須となる「閉眼供養」とは?
位牌を処分する上で、最も重要な儀式が「閉眼供養(へいげんくよう)」です。これは宗派を問わず行われる大切な工程であり、浄土宗も例外ではありません。
閉眼供養(魂抜き)の意味と必要性
閉眼供養とは、位牌に宿っている故人の魂を抜き、単なる「物」に戻すための儀式です。「魂抜き」や「お性根抜き」とも呼ばれます。新しく位牌を作った際に「開眼供養(魂入れ)」を行い、故人の魂を宿らせる儀式の対となるものです。この儀式を経ることで、故人の魂は位牌から離れ、礼拝の対象から木の札へと戻ります。処分は、必ずこの閉眼供養を終えてから行わなければなりません。
閉眼供養を行わずに処分するとどうなるのか
閉眼供養を行わないまま位牌を処分することは、故人の魂が宿ったまま捨ててしまうことと同じ意味合いを持ちます。これは故人やご先祖様に対して大変失礼にあたる行為です。また、単なる物としてゴミに出してしまうなど、宗教的な儀礼を経ずに処分することは、残された家族の心にも後悔や罪悪感を残すことになりかねません。必ず専門家である僧侶に依頼し、適切な手順を踏むようにしましょう。
浄土宗の位牌を処分する4つの主な方法
閉眼供養を終えた後の位牌は、いくつかの方法で処分(最終的な供養)をします。ご自身の状況や考え方に合わせて、最適な方法を選びましょう。
方法1:菩提寺(お付き合いのあるお寺)に依頼する
最も一般的で安心な方法は、先祖代々お世話になっている菩提寺に依頼することです。閉眼供養からその後の処分(お焚き上げ)までを一貫してお願いできます。法要などのタイミングで相談すれば、スムーズに進めてもらえるでしょう。お付き合いのあるお寺がない場合でも、同じ浄土宗のお寺であれば相談に応じてくれる場合があります。
方法2:仏壇店に処分を相談する
位牌の作り替えなどを検討している場合、購入先の仏壇店が古い位牌の引き取りや処分に対応していることがあります。ただし、仏壇店では閉眼供養の儀式自体は行えないため、別途お寺に閉眼供養を依頼した上で、処分のみを仏壇店にお願いする形が一般的です。
方法3:位牌処分の専門業者に依頼する
近年では、仏壇や位牌の供養処分を専門に行う業者も増えています。菩提寺が遠方にある、お寺とのお付き合いがないといった場合に利用されます。業者によっては、僧侶の手配を含めて閉眼供養から処分まで一括で請け負ってくれるところもあります。依頼する際は、信頼できる業者かどうかをしっかりと見極めることが重要です。
方法4:永代供養という形で供養を続ける
処分(お焚き上げ)してしまうのではなく、お寺や霊園に位牌を預け、永代にわたって供養してもらう「永代供養」という選択肢もあります。後継者がいないけれど、位牌を無下にはできないという場合に選ばれることが多い方法です。ただし、「永代」といっても施設によって契約期間が定められている場合があるため、事前の確認が必要です。
【方法別】浄土宗の位牌処分の費用相場
位牌の処分には、閉眼供養のお布施と、処分自体の費用がかかります。依頼先によって金額は大きく異なるため、事前に確認しておくと安心です。
処分方法 | 費用の内容 | 費用相場 | 備考 |
菩提寺に依頼 | 閉眼供養のお布施、お焚き上げ料 | 10,000円~50,000円程度 | お布施の金額は地域やお寺との関係性による。 |
仏壇店に相談 | 処分費用(お焚き上げ料など) | 5,000円~20,000円程度 | 閉眼供養のお布施は別途必要。 |
専門業者に依頼 | 閉眼供養、処分、手数料など | 10,000円~30,000円程度 | サービス内容によって変動。僧侶手配を含むか確認が必要。 |
永代供養 | 永代供養料 | 30,000円~数十万円 | 供養の期間や内容によって大きく異なる。 |
菩提寺に依頼する場合の費用
お寺に依頼する場合、費用は「お布施」としてお渡しします。明確な料金が決まっているわけではありませんが、一般的には1万円から5万円程度が相場とされています。法要と合わせて行う場合は、その法要のお布施に含める形でお渡しすることもあります。金額に迷う場合は、率直にお寺に相談しても失礼にはあたりません。
仏壇店に相談する場合の費用
仏壇店に処分のみを依頼する場合、数千円から2万円程度が目安となります。ただし、前述の通り、別途お寺に閉眼供養を依頼する必要があり、その際のお布施が追加でかかります。
専門業者に依頼する場合の費用
専門業者に依頼する場合、閉眼供養の僧侶手配からお焚き上げまで含めて1万円から3万円程度が相場です。郵送で受け付けている業者もあり、手軽に依頼できる反面、大切な位牌を託すに値する信頼できる業者かどうかの見極めが重要です。
永代供養を依頼する場合の費用
永代供養は、供養の内容や期間によって費用が大きく異なります。数万円から、手厚い供養内容の場合は数十万円になることもあります。複数の施設から資料を取り寄せ、内容を比較検討することをおすすめします。
後悔しないために知っておきたい位牌処分の注意点
位牌の処分は、手続き的な側面だけでなく、家族の心情にも関わるデリケートな問題です。トラブルを避け、円満に進めるために、いくつか注意すべき点があります。
最も重要!家族や親族への事前相談を必ず行う
位牌は、自分一人のものではなく、家族や親族にとっても大切なものです。処分を考える際は、必ず事前に相談し、全員の合意を得ることが不可欠です。相談なく進めてしまうと、後々大きなトラブルに発展しかねません。「なぜ処分したんだ」と責められたり、親族間に溝ができてしまったりするケースもあります。なぜ処分が必要なのか、どのような方法を考えているのかを丁寧に説明し、理解を得るプロセスを大切にしてください。
自分で処分(お焚き上げなど)は絶対に避けるべき理由
「閉眼供養さえすれば、ただの物なのだから自分で燃やしても良いのでは」と考える方がいるかもしれませんが、それは絶対に避けるべきです。個人の判断でお焚き上げを行うことは、法律で禁止されている野焼きにあたる可能性があります。[中優7] また、火災の危険も伴います。宗教的な観点からも、精神的な観点からも、専門家であるお寺や業者に任せるのが最も安全で適切な方法です。
複数の位牌は「繰り出し位牌」にまとめる選択肢も
仏壇の中に個人の位牌が複数あり、スペースがなくなってきた場合は、処分するのではなく「繰り出し位牌(くりだしいはい)」や「過去帳(かこちょう)」にまとめるという方法もあります。繰り出し位牌は、中に複数の札板を納めることができる箱型の位牌で、ご先祖様の位牌を一つに集約できます。これにより、仏壇をすっきりとさせながら、引き続きご先祖様を手厚く供養することが可能です。
【関連記事】たくさんのお位牌を、弔い上げして、まとめる方法
まとめ
位牌の処分でお困りの際は、専門業者に相談するという選択肢もあります。菩提寺との付き合いがない方や、遠方にお住まいで寺院へ足を運ぶのが難しい方にとって、大きな助けとなるでしょう。
浄土宗における位牌の処分は、故人への感謝と敬意を示す最後の供養とも言えます。最も大切なのは、閉眼供養によって位牌に宿る魂を丁寧にお遷しし、その上で適切な方法で処分することです。菩提寺や専門家とよく相談し、そして何よりも家族や親族と話し合いながら、全員が納得できる形で進めることが、後悔のない供養に繋がります。
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