遺品整理はいつから始めるべき?最適なタイミングと進め方のポイントを解説!
- Shinji Iwata
- 8月16日
- 読了時間: 9分
ご家族が亡くなられた後、悲しみに暮れる間もなく、様々な手続きに追われることになります。その中でも、故人が残した品々を整理する「遺品整理」は、いつから手をつければ良いのか、どのように進めれば良いのか、多くの方が悩む問題です。この記事では、遺品整理を始める適切なタイミングや具体的な手順、そして後悔しないためのポイントを詳しく解説します。
遺品整理を始めるべき時期はいつ?一般的なタイミング
遺品整理を始める時期に法的な決まりはありませんが、一般的に多くの人が区切りとしているタイミングがあります。ご自身の状況や気持ちの整理に合わせて、最適な時期を見つけましょう。
葬儀が終わった直後(逝去から1週間前後)
葬儀直後は、親族が集まっているため、形見分けなどの相談がしやすく、遺品整理を始めるきっかけになります。 特に故人が賃貸物件に住んでいた場合、家賃が発生し続けるため、早めに整理を始める必要があります。 しかし、葬儀直後は精神的にも肉体的にも疲労が大きいため、無理に進めるのは禁物です。
役所などの諸手続きが完了してから(逝去から2週間~1ヶ月後)
死亡届の提出や健康保険、年金などの手続きが一段落したタイミングで遺品整理を始める方も多いです。 気持ち的にも少し落ち着き、故人の遺品と向き合う時間が取りやすくなります。
手続きの種類 | 期限の目安 |
死亡届の提出 | 死亡の事実を知った日から7日以内 |
健康保険証の返却 | 資格喪失日から14日以内 |
年金受給停止手続き | 10日または14日以内 |
公共料金の名義変更・解約 | なるべく早く(推奨:1ヵ月以内) |
四十九日法要が終わった後(逝去から2~3ヶ月後)
仏教では、四十九日をもって故人の魂が旅立つとされ、忌明けの区切りとなります。 この法要には親族が集まるため、遺品整理や形見分けについて具体的に話し合う良い機会となるでしょう。 精神的にも落ち着きを取り戻し、冷静に遺品整理を進められる時期と言えます。
相続放棄の期限前(逝去から3ヶ月以内)
故人に借金などのマイナスの財産がある場合、家庭裁判所で「相続放棄」の手続きをすることで、財産を相続する権利を手放すことができます。この手続きの期限は、ご自身のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内です。 遺品の中から借金の督促状などが見つかる可能性もあるため、相続放棄を検討する場合は、この期限内に遺品整理を行い、財産状況を把握する必要があります。
相続税の申告期限前(逝去から10ヶ月以内)
故人の遺産総額が基礎控除額を超える場合、相続税の申告と納税が必要になります。申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。 遺品の中には、預金通帳や不動産の権利書、有価証券など、相続税の計算に必要な書類が含まれていることが多いため、期限に間に合うよう、余裕を持って遺品整理を始めることが重要です。
気持ちの整理がついてから
故人を亡くした悲しみは、すぐに癒えるものではありません。急いで遺品整理を始める必要がない場合は、ご自身の気持ちが落ち着くまで待つという選択肢もあります。 無理に片付けを進めようとすると、かえって辛い思いをすることもあります。故人との思い出を振り返りながら、少しずつ整理を進めていくのが良いでしょう。
遺品整理を始める前に確認しておくべきこと
遺品整理を円滑に進めるためには、事前の準備が大切です。トラブルを避けるためにも、以下の点を確認しておきましょう。
遺言書の有無を確認する
まず、故人が遺言書を残していないか確認しましょう。遺言書には、財産の分け方や遺品の処分方法について記載されている場合があります。法的な効力を持つため、遺言書の内容に従って遺品整理を進める必要があります。
相続人と相続財産を把握する
遺品は法的に相続財産の一部とみなされるため、誰が相続人になるのかを確定させる必要があります。 また、故人の預金通帳や不動産の権利書、有価証券などを確認し、どのような財産があるのかをリストアップしておくと、後の遺産分割協議がスムーズに進みます。
形見分けについて親族で話し合う
故人が大切にしていた品々を、親族で分け合うことを「形見分け」と言います。誰が何を受け取るのか、事前に親族間でしっかりと話し合っておくことが大切です。後々のトラブルを防ぐためにも、全員が納得できる形で進めましょう。
遺品整理の進め方と手順
やみくもに作業を始めると、時間ばかりがかかってしまい、なかなか片付きません。効率よく進めるための手順をご紹介します。
遺品整理のスケジュールを立てる
まずは、いつまでに遺品整理を終わらせるのか、具体的な目標日を決めましょう。 そして、部屋ごとや場所ごとに作業する日を割り振るなど、詳細なスケジュールを立てることで、計画的に作業を進めることができます。
日程 | 作業場所 | 担当者 |
8月10日 | 寝室 | 太郎、花子 |
8月11日 | リビング | 太郎 |
8月12日 | キッチン | 花子 |
8月17日 | 粗大ごみ搬出 | 全員 |
遺品を「貴重品」「残すもの」「処分するもの」に分類する
遺品を整理する際は、まず「貴重品」「残すもの(形見など)」「処分するもの」の3つに大きく分類することから始めましょう。
貴重品:現金、預金通帳、印鑑、権利書、有価証券、貴金属など
残すもの:写真、手紙、趣味の品など、思い出の品
処分するもの:不要な衣類、家具、家電、日用品など
判断に迷うものは、無理に捨てずに「保留」として別の箱にまとめておき、後で改めて考えるのがおすすめです。
不用品の処分方法を決める
処分すると決めたものは、自治体のルールに従って分別し、廃棄します。家具や家電などの大きなものは、粗大ごみとして回収を依頼するか、不用品回収業者に引き取りを依頼しましょう。まだ使える衣類や本などは、リサイクルショップやフリマアプリで売却するという方法もあります。
部屋の清掃を行う
遺品の整理が終わったら、最後に部屋の清掃を行います。故人が長く住んでいた家は、ホコリや汚れが溜まっていることが多いです。賃貸物件の場合は、退去時に原状回復を求められることもあるため、隅々まできれいに掃除しましょう。
自分で遺品整理を行うメリットとデメリット
遺品整理を自分たちで行うか、専門の業者に依頼するか、迷われる方も多いでしょう。それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、自分に合った方法を選びましょう。
メリット:費用を抑え、自分のペースで進められる
自分たちで遺品整理を行う最大のメリットは、費用を抑えられることです。 業者に依頼する場合に比べて、かかる費用はゴミの処分費用や交通費程度で済みます。また、故人との思い出を一つひとつ確認しながら、自分たちのペースで作業を進めることができます。
デメリット:時間と手間がかかり、精神的な負担も大きい
一方、デメリットとしては、膨大な時間と手間がかかることが挙げられます。 特に、遺品の量が多い場合や、遠方に住んでいる場合は、かなりの労力が必要です。また、故人の遺品と向き合うことは、精神的にも大きな負担となることがあります。
遺品整理を業者に依頼するメリットとデメリット
時間がない方や、自分たちで整理するのが難しい場合は、遺品整理業者に依頼するのも一つの選択肢です。
メリット:時間や労力を大幅に削減できる
専門業者に依頼する最大のメリットは、時間と労力を大幅に削減できることです。 不用品の分別から搬出、清掃までを一括して行ってくれるため、短時間で遺品整理を完了させることができます。遺品の買取サービスを行っている業者もあり、処分費用を抑えられる可能性もあります。
デメリット:費用がかかり、悪質な業者に注意が必要
業者に依頼する場合、当然ながら費用が発生します。 部屋の広さや遺品の量によって料金は異なりますが、決して安くはありません。また、中には高額な追加料金を請求したり、不法投棄を行ったりする悪質な業者も存在するため、業者選びは慎重に行う必要があります。
遺品整理業者を選ぶ際のポイント
安心して任せられる業者を選ぶために、以下のポイントを参考にしてください。
複数の業者から見積もりを取る
まずは、複数の業者に連絡を取り、相見積もりを取りましょう。 料金だけでなく、サービス内容や対応の丁寧さなどを比較検討することが大切です。
料金体系が明確で、追加料金の有無を確認する
見積もりを依頼する際は、料金体系が明確であるか、追加料金が発生する可能性はないかなどを、事前にしっかりと確認しましょう。 後からトラブルにならないよう、契約書の内容もよく確認することが重要です。
確認事項 | A社 | B社 | C社 |
見積もり料金 | 150,000円 | 180,000円 | 165,000円 |
追加料金の有無 | 作業内容により発生の可能性あり | なし | 原則なし |
対応可能な作業 | 分別、搬出、清掃、買取 | 分別、搬出、清掃 | 分別、搬出、清掃、供養 |
遺品整理士などの専門資格を持つスタッフが在籍しているか
「遺品整理士」とは、遺品整理に関する専門的な知識やスキルを証明する民間資格です。 資格を持つスタッフが在籍している業者は、法令を遵守し、適切な対応をしてくれる可能性が高いと言えます。
損害賠償保険に加入しているか
万が一、作業中に家財や建物を傷つけられた場合に備え、損害賠償保険に加入しているかどうかも確認しておきましょう。
遺品整理で注意すべきトラブル
遺品整理では、思わぬトラブルが発生することもあります。事前に注意点を知っておくことで、トラブルを未然に防ぎましょう。
親族間のトラブル
遺品整理で最も多いのが、親族間のトラブルです。 「勝手に高価なものを処分された」「形見分けに不公平がある」といったことが原因で、関係が悪化してしまうケースも少なくありません。必ず事前に話し合いの場を設け、全員の合意を得ながら進めることが大切です。
賃貸物件の原状回復トラブル
故人が賃貸物件に住んでいた場合は、退去時に原状回復が求められます。 どこまでが貸主負担で、どこからが借主負担なのか、契約書をよく確認し、大家さんや管理会社と話し合っておきましょう。
デジタル遺品の取り扱い
近年、問題になっているのが「デジタル遺品」です。 パソコンやスマートフォンの中に保存されているデータや、ネット銀行、SNSのアカウントなども、故人の大切な遺品です。パスワードが分からないとアクセスできないため、生前にIDやパスワードをエンディングノートなどに記してもらうなどの対策が必要になります。
まとめ
遺品整理は、故人を偲び、気持ちを整理するための大切な時間です。法的な期限が迫っている場合を除き、焦って進める必要はありません。ご自身の状況や気持ちに合わせて最適なタイミングを見つけ、後悔のないように、一つひとつ丁寧に進めていきましょう。もし、自分たちだけで行うのが難しいと感じたら、専門の業者に相談するのも良い方法です。
ご自身の気持ちの整理がつくタイミングが第一ですが、どう処分すべきか迷う仏壇や位牌、遺影といった品々から着手するのも一つの方法です。専門家が丁寧に供養・処分することで、心の負担も軽くなります。私達が心を込めてお手伝いしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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