「死は、突然にしかやって来ない。生きることに安心しきっている心には、死に対する用意が、なにもできていないからである。」ということを述べてらっしゃる学者さんがいらっしゃるように、「亡くなった後の流れを確認して万が一のときに備えたい」と考えてはいるものの、調べたり決めたりすることは後回しになるものです。
終活の一環として亡くなった後の準備をするため流れを知っておきたい、あるいは大切なご家族が亡くなられたけれど手続きは何から始めたらよいのか分からないとお悩みではございませんか。
この記事では実際の流れとして四十九日までの時系列を見ていきたいと思います。
亡くなられてから1日目
死とは突然やってきます。心構えがあったとしても、死に接し心は乱れていますし、立場によっては喪主として様々なことをこなしていかなくてはなりませんので、あらかじめ考えていたことでもそのように行えないことが多くあります。
上記図は時系列で発生することの概要となります。
病院で亡くなられた場合はお医者様から「死亡診断書」が発行されます。
自宅など医療機関以外で亡くなった場合は、事件性がないかなどの確認を行うため警察に来ていただき「死体検案書」が発行されます。
病院、葬儀社、訪問看護師のお力を借り、末期の水とりやエンゼルケアを行います。
病院の霊安室にいつまで安置いただけるかの確認、葬儀社と葬儀の日程の打ち合わせを行います。
日本では法律により、亡くなってから24時間以内に埋葬、火葬することは禁止されています。通常、葬儀後にご遺体は火葬場で荼毘に付されますので、葬儀日程は法制度に合わせ、丸1日経過した後に執り行われるのが一般的ですが、現在東京を中心としたエリアでは、火葬が行える施設の混雑があり、平均的に五日後という事情もございます。葬儀社と綿密にスケジュール確認が必要となります。
葬儀、火葬までの時間が長いと、遺族の負担も増えるかもしれませんが、良いこともあると考えられます。
火葬にする前、まだ故人が生前の姿でいる間に、故人のことをゆっくりと偲んだり、親しかった方たちの間で思い出話を語りあったり。いわゆる、昔のお通夜のような時間を過ごすことの良さを感じている方も多くいらっしゃいます。
副葬品に関してもあらかじめ決めておきたいですが、亡くなられた方の愛用品やお花、お手紙、御朱印帳などが多いようです。
お通夜、葬儀に関しては地域により作法も異なるようですが、最近では、お通夜を行なわず、家族葬や一日葬を選択する方も多くなっています。
亡くなられてから2日目
お通夜を執り行います。先述の通り、家族葬などでお通夜は行わないという例も増えてきています。亡くなられた方との別れをしのび、最期の夜を過ごす儀式です。葬儀・告別式の前夜に、ご親族や親しい友人が亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
白木位牌を用意します。白木位牌は、葬儀の際に使用される仮の形のお位牌です。
亡くなられてから3日目
葬儀と告別式を行います。近年は葬儀と告別式をまとめて執り行うケースもあります。告別式が終わると、棺にお花を入れるなどして最後のお別れをします。その後、斎場から出棺して火葬場へ向かいます。
初七日は亡くなられてから7日後に執り行う法要で、仏教では、亡くなってから49日間は7日ごとに極楽浄土に行けるかどうかが判決されると考えられており、その間は魂が彷徨っているため、初七日には故人のために法要を行い、極楽に行けるよう成仏を願う行事ですが、昨今では、葬儀の当日に行なう方も多いです。
火葬が行われ、役所に死亡届を提出した際に受け取った「死体火葬許可証」が、火葬場にて証明印が押され、「埋葬許可証」になります。
葬儀社に葬儀にかかった費用等の精算を行います。
四十九日までの準備
葬儀が終わってから四十九日が明けるまでは、ご自宅に「後飾り壇(あとかざりだん)」や「中陰壇(ちゅういんだん)」と呼ばれる祭壇を設けます。葬儀社等が手配いただく場合が多いです。
白木位牌、骨壺、遺影などをお祀りしてご供養を行います。弔問客が訪れた場合には、この祭壇にお参りいただくのが通例です。
四十九日法要に向けて本位牌の準備も行います。位牌は遠い昔の中国から伝わってきたとされています。そのころ中国の儒教では先祖の官位や名前を「木簡(もっかん)」と呼ばれる木の板に書いてお祀りし供養したと伝えられていて、この「木簡」が位牌のルーツではないかと言われています。意外にも仏教(インド)がルーツではなく、儒教(中国)の影響を受けているそうです。
仏壇は四十九日法要までに準備する場合や、一周忌法要、新盆やお彼岸などの法要に合わせて準備するケースもあります。生前に仏壇を用意される場合もありますが、その場合はご家族とよく相談して決められるのがいいでしょう。
四十九日の法要・納骨
四十九日とは、「七七日(しちしちにち・なななぬか)」とも呼ばれ、ご命日から数えて四十九日目を指します。仏教ではこの日を「忌明け(きあけ)」と呼び、遺族はこの日を境として、故人様のご冥福を祈って喪に服していた期間を終えます。
この日に行われる法要を「四十九日法要」や「忌明け法要」と呼びます。一部の宗派では考え方が異なり「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」の考え等もございますので、それぞれの菩提寺等にご確認ください。
白木位牌は、葬儀のときに祀られる白木で作られた位牌で、別名を「仮位牌」や「野位牌」といって「戒名」「命日(亡くなった日)」「俗名(生前の名前)」「亡くなった年齢」などが記されています。四十九日の法要では、魂の仮の依り代である白木位牌から「本位牌(ほんいはい)」へと移り変わります。このお経上げを「魂入れ(たましいいれ)」や「開眼供養(かいげんくよう)」と呼び、魂は白木位牌から本位牌に宿ります。宗派によっては位牌ではなく「過去帳(かこちょう)」や「法名軸(ほうみょうじく)」をご供養に使用する場合もございます。詳しくは菩提寺へご確認ください。
納骨は、火葬した遺骨をお墓に入れることです。納骨の時期に決まりはありませんが、四十九日の法要が終わった後や一周忌の後に行うことが多いです。
ちなみに。。(位牌には何が書いてある?)
位牌には故人の戒名、俗名、亡年月日、亡くなった年齢などが記されています。
●戒名(法名、法号)
戒名とは亡くなったとき仏様の弟子になった証としてお寺からもらう死後の名前です。
戒名の付け方は宗派や故人の年齢、性別、社会的地位などによっても異なります。例えば社会的貢献度やお寺への貢献度が高い方には戒名の前に院号・院殿号といった称号があり、真言宗、日蓮宗、浄土宗では戒名の前に宗派を表す梵字・冠文字を入れるケースがあります。
●俗名(ぞくみょう)
生前に使用していた名前です。通常は戒名を表面に記して俗名は裏側に記されます。
●亡くなった年月日
昭和、平成などの元号を用いて記します。
●亡くなった年齢
数え年齢が一般的です。漢数字で記します。
その後について
本位牌は、先祖の霊が宿り続ける対象であり、仏壇は家の中にある小さなお寺という対象です。
手を合わせて故人をしのび供養し続けます。
弔い上げと位牌の処分について
弔い上げとは、最後に切り上げる年忌法要の最終回の行事のことです。年忌法要とは決められた節目の命日に行う特別な法要のことで、最初の年忌法要は命日の翌年に行う一周忌で、その後は2年目に三回忌、6年目に七回忌と、数十年にわたって続きます。目的は魂が極楽浄土へ向かうことができるように祈念し亡くなった方を偲ぶためです。このときに位牌の処分を行いますので弔い上げが位牌の処分の重要なタイミングになります。
弔い上げは何回忌までに開催すべきか
弔い上げは何回目までに行うと期限が決まっているわけではなく、この法事を最後にすると決めればその回の法事が“弔い上げ”となります。命日の32年目にあたる33回忌までというのが一般的な昔からの慣例です。
仏教では、三十三回忌や五十回忌を迎えれば魂は極楽浄土へ行くことが許されるという考え方で、なぜなら三十三回忌や五十回忌を迎える頃には魂が浄化されるからだとしています。この教えに則り、弔い上げも併せて執り行い、その後は、故人の魂は仏様となって、ご先祖様の霊と一緒になります。
但し現代の日本人の寿命は昔より長寿化しており、古い儀式のスタイルを継承するには親族の年齢の構成上難しい家族が増えてきています。たとえばおばあちゃんが80歳でなくなったとき、51歳の子供が法事を30年行うとするとおばあちゃんが亡くなった年齢を超えてしまうわけで身体的も何十年も法要を継続することは現実的ではありません。
法事を継続しにくい社会背景
近年の法要の開催状況は、高齢化社会を背景に開催する側も高齢化しているという状況に加えて、そもそも子供達は実家を離れて住んでいたり、親せきたちもバラバラに遠くに住んでいて法要で集まるのが難しかったりと昔と違って法要を決められた節目に継続して行うことができる家庭は少なくなっています。つまり三十三回忌や五十回忌まで継続しにくい社会背景や家庭の事情が増えた現代において、早めに法要を切り上げざるおえない状況になってきました。
弔い上げの時期は、早まっている傾向
弔い上げを開催するタイミングは所属する宗派や住んでいる場所、お墓のある寺によって違うと言われてきましたが、自分の生活環境に合わせて柔軟に適切なタイミングで執り行うようにするのが今の時代の流れになってきています。
具体的には早めに十七回忌を節目にして弔い上げを行うことも禁忌ではなりません。さらに十七回忌よりも早く行ったり、法事の節目ではないタイミングで弔い上げを行うことも最近では良くあります。
近年の弔い上げの流れ
弔い上げは他の年忌法要と違って特別な儀式が必要ですから、「開催を決めたらなるべく早めに準備するように」などとネット上などでは書かれていますが、お寺や慣習、シキタリなどに無理やり合わせずに、こちらの事情やペースで進めていく柔軟性が重要です。
昔はセレモニーホールを貸切ったり、弔い上げは寺院でないとできないという慣わしから、その予約や多人数の参加者に向けた案内や会食の準備が必要などという事情がありました。
最近では、法要の形式や流れは菩提寺と言われる担当のお寺の僧侶によって正しいスタイルに細かい違いはあるものの、そもそも菩提寺がないというかたも多くなり、菩提寺があっても遠いので連絡はするが法事の依頼ができないといったケースの方も少なくありません。
僧侶の派遣サービスなどで菩提寺でない僧侶に依頼して、お寺ではなく家に僧侶を招いて仏壇の前で弔い上げの読教をして頂くような法要も最近では多くなり、それが特別ではなくなってきています。
昔の法事はお寺で読教を聞いたあとにみんなで移動してお墓参りをして、その後大広間に移って盛大に会食をするような流れが一般的でした。亡くなった方の魂が極楽浄土へ向かったことをお祝いする行事ということで会食も精進料理ではなく魚や肉などを使った豪勢なごちそうを並べてお祝いしましょうという慣わしで、費用も何十万円もかけることもありました。
しかし近年開催される法事は、コロナ以降特にそうですが、特に都会ではこじんまりしたスタイルが主流となってきています。
位牌の片付けについて(処分の方法について)
弔い上げの際に行うこととして、戒名が書かれた位牌から先祖代々の位牌に魂を移します。亡くなった方の魂は先に仏様となっているご先祖様と一緒になり一緒に子孫を守る存在となります。そして魂が抜かれた今までの位牌は役割を終えて処分されます。
通常はお寺で燃やしてもらうお焚き上げ供養という方法で片付けられてきました。
という訳で、弔い上げのタイミングで処分すべきお位牌が、片付けるタイミングを逸して手元に残っているケースが多くなってしまっています。つまり位牌の処分に困っているという承継者が増えているということです。
処分のために法事を行うということもそもそもできませんし、お位牌をどのようにかたずけたら良いのかという情報も入手しにくい現状です。そこで次のような位牌の処分の方法を紹介します。
位牌の処分方法。寺院以外に依頼する先は?
位牌の魂抜きは、お墓があるお寺(菩提寺)やお付き合いのあるお寺にお願いするのが一番お勧めなのです。それは長年のお付き合いとかお寺との信頼関係を前提にしたときのお話です。そもそも菩提寺がない、遠い、疎遠になった、相談に乗ってくれない、などというケースの場合にはどこに依頼すれば良いのでしょうか。又、弔い上げが終わっているかどうかも不明なお位牌も同様です。
お寺に相談できない場合は、仏具店や葬儀社でも位牌の処分の相談はできますが、先に魂抜きをするように言われる場合が殆どです。
お寺(菩提寺)が無く魂抜きやお焚き上げを依頼できない、あるいは供養がされているかどうかも不明なお位牌を持っている・・・など、きっちり供養して処分する先を探している、という方にお薦めなのが弔い上げと魂抜きの儀式を合同で行って適切に処分してくれる業者です。
供養と処分をお寺と提携して正しく行うことで、菩提寺がなくて供養先を探せなかったご家族のお位牌を、供養から処分まで一括して請け負ってくれるので安心です。
料金について
お寺で魂抜きを依頼するとお布施が必要となり相場は1柱5,000円から30,000円と言ったところでしょうか。お寺や僧侶の位や、考え方や地域によってかなり幅があります。
供養と処分を請け負う業者の場合も、引取り方法(出張や郵送等)や供養と処分の方法がいろいろあって、料金も1柱3,000円から15,000円まで幅がありますので、内容をよく確認して依頼されることをお勧めします。
まとめ
ご先祖様のお位牌は、弔い上げのタイミングで処分される。
弔い上げとは、年忌法要を最後に切り上げる最終回の行事のこと。
弔い上げは早めに切り上げることができ、そのタイミングで位牌の片付けが可能。
位牌の片付けは通常お焚き上げ(焼却して供養)するのが一般的。
位牌の処分のために早めに弔い上げを行ってお焚き上げして片付けることもできる。
菩提寺に弔い上げを依頼しない場合や由緒不明なお位牌などの処分も業者に依頼できる。
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合同供養の様子(2024年4月)
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