位牌の魂抜きをしないとどうなる?必要な理由から費用、処分方法まで解説
- Shinji Iwata

- 4 日前
- 読了時間: 11分
ご親族から受け継いだお仏壇や、古くなった位牌の扱いに困り、「位牌の魂抜きをしないとどうなるのだろう」と不安を感じていませんか。普段あまり馴染みのない儀式だからこそ、その必要性や作法が分からず、悩んでしまうのは当然のことです。この記事では、位牌の魂抜きに関する皆様の疑問や不安を解消するために、その意味から具体的な手順、費用、そして処分方法まで、分かりやすく解説していきます。

位牌の魂抜き(閉眼供養)とは?
位牌の魂抜きについて考える前に、まずはその儀式がどのような意味を持つのか、そしてなぜ位牌が大切に扱われてきたのかを理解することが大切です。
故人の魂が宿る依り代としての位牌
位牌は、亡くなった方の戒名(法名)を記した木の札であり、故人を偲び供養するための礼拝の対象です。ただし、位牌に「故人の魂が宿る」とする考え方は、仏教本来の教義ではなく、日本の民間信仰や習俗として定着した解釈です。仏教では死後の魂の在り方について様々な解釈があり、浄土真宗などの宗派では位牌を用いない、あるいは「故人の魂が宿る」という考え方をしない場合もあります。
【関連記事】位牌に宿る「たましい」とは何か?
魂を抜き単なる「もの」に戻すための儀式
魂抜きとは、多くの仏教宗派において、僧侶の読経によって位牌に宿っている故人の魂を抜き、その位牌を「ただの木の板」に戻すための儀式です。この儀式は「閉眼供養(へいがんくよう)」や「お性根抜き(おしょうねぬき)」とも呼ばれます。魂抜きを行うことで、位牌は礼拝の対象から単なる「物」へと変わるため、その後は処分や移動が可能となるのです。逆の儀式として、新しく作った位牌に魂を込める「魂入れ(開眼供養)」があります。ただし、浄土真宗では「魂の出し入れ」という概念がないため、魂抜き・魂入れは行わず、代わりに「遷座法要(せんざほうよう)」「遷仏法要(せんぶつほうよう)」などの儀式を行います。
位牌の魂抜きをしないとどうなるのか?
多くの方が最も気になるのが、「もし魂抜きをしなかったら、何か悪いことが起きるのではないか」という点でしょう。結論から言うと、罰が当たるといったことはありませんが、いくつかの現実的な問題が生じる可能性があります。
罰が当たる・祟りが起きるは本当?
魂抜きをしないと、罰が当たったり、祟りが起きたりするのではないかと心配される方も多いと思います。魂抜きはあくまで仏教の教えに基づく儀式であり、ご遺族が心の区切りをつけるためのものです。ですが、行わなかったあとで不幸に遭ったとき、間接的に結びつけてしまうこともあります。実際に事故などに遭ったときに「きちんと供養しておけば良かった」と後悔することもあるわけです。
精神的な罪悪感や後悔に繋がる可能性
直接罰が当たらないとはいえ、多くの方が「魂が宿ったままの位牌を処分してしまった」という事実に、罪悪感や後悔の念を抱くこともあります。ご先祖様や故人に対して申し訳ないという気持ちが、心の負担になってしまうかもしれません。
後々まで「きちんと供養してあげればよかった」と悔やむことのないよう、心の平穏を保つためにも儀式を執り行う意味は大きいと言えます。
親族とのトラブルの原因になることも
位牌の供養に関する考え方は人それぞれです。仮に自分は気にしなくても、他のご親族が「魂抜きもしないで処分するなんて、とんでもない」と言われることは想定すべきです。先祖代々の位牌であれば、なおさらです。事前に相談なく処分を進めてしまうと、後々大きな親族間トラブルに発展しかねません。関係者全員が納得のいく形で供養を進めるためにも、伝統的な儀式に則るのが賢明です。
処分業者に受け入れを断られる場合も
魂抜きを終えていない位牌は、宗教的な観点から「物」ではなく「礼拝対象」として扱われます。そのため、遺品整理業者やお焚き上げを専門とする業者によっては、魂抜きが済んでいない位牌の引き取りを断るケースがあります。結局、処分するために二度手間になってしまうことを避けるためにも、事前に魂抜きを済ませておくことが推奨されます。
魂抜きはなぜ必要?その理由を解説
魂抜きは、単なる形式的な儀式ではありません。そこには、故人とご遺族双方にとって大切な意味が込められています。
宗教的な考え方に基づく大切な慣習
多くの仏教宗派では、位牌には故人の魂が宿ると考えられています。そのため、役目を終えた位牌をそのまま処分することは、故人の魂をぞんざいに扱うことと同じだとされています。魂抜きを行い、敬意をもって魂を天に還し、位牌をただの物に戻すというプロセスは、宗教的な考え方において非常に重要な意味を持ちます。
故人への感謝を示し心の区切りをつけるため
魂抜きの儀式は、これまで家族を見守ってくれた故人への感謝を改めて伝える場でもあります。手を合わせ、僧侶の読経を聞きながら故人を偲ぶことで、ご遺族は気持ちの整理をつけることができます。「最後まで丁寧に供養できた」という事実は、悲しみを乗り越え、前に進むための大きな力となるでしょう。
新しい位牌へ魂を移すため(位牌の作り替え)
古くなった位牌を新調したり、複数の位牌を一つにまとめる「繰り出し位牌」に作り替えたりする場合にも魂抜きは必要です。この場合、古い位牌から魂を抜き、新しい位牌に魂を移す「魂入れ(開眼供養)」をセットで行うのが一般的です。これにより、供養の対象が新しい位牌へと正式に引き継がれます。
位牌の魂抜きが必要になる主なタイミング
では、具体的にどのような場面で魂抜きが必要になるのでしょうか。代表的な4つのタイミングをご紹介します。
仏壇を処分・移動する時
引っ越しや家のリフォームなどに伴い、仏壇を処分したり、一時的に移動させたりする際には魂抜きが必要です。仏壇を動かすということは、ご本尊や位牌も一緒に動かすことになるため、一度魂を抜いてから移動し、新しい場所で改めて魂入れを行うのが正式な作法です。
位牌を新しく作り替える時
傷みが激しくなったなどの理由で位牌を新しく作り替える際には、古い位牌の魂抜きと、新しい位牌への魂入れが同時に必要となります。これにより、故人の魂が新しい位牌へと正式に引き継がれます。
永代供養に切り替える時
後継者がいないなどの理由で、お墓や位牌の管理をお寺に任せる「永代供養」に切り替える際にも、魂抜きを行います。多くの場合、永代供養墓への納骨法要などと合わせて、位牌の魂抜き・お焚き上げを依頼することになります。
故人の弔い上げ(33回忌・50回忌)の時
弔い上げ(とむらいあげ)とは、故人が亡くなってから長い年月が経ち、「故人の魂がご先祖様の仲間入りをする」という考え方から、年忌法要を終わりにする節目を指します。一般的に三十三回忌や五十回忌を区切りとすることが多く、このタイミングで位牌を整理するため、魂抜きを行います。
位牌の魂抜きはどこに依頼できる?
魂抜きを依頼できる場所は、菩提寺だけではありません。ご自身の状況に合わせて、相談しやすい場所を選ぶことができます。
菩提寺・付き合いのあるお寺
先祖代々のお墓があるお寺(菩提寺)がある場合は、まずそこに相談するのが最も良い方法です。これまでの法要などでお付き合いがあるため、話がスムーズに進み、安心して任せることができます。
近くの同じ宗派のお寺
菩提寺がない、あるいは遠方で依頼が難しい場合は、自宅の近くにある同じ宗派のお寺に相談してみましょう。快く引き受けてくれる場合が多いですが、菩提寺があるにも関わらず別のお寺に依頼することはマナー違反とされることもあるため、その場合は菩提寺に一言断りを入れるのが丁寧です。
葬儀社や仏壇店
葬儀でお世話になった葬儀社や、仏壇・仏具店でも相談に乗ってくれます。これらの業者は提携している僧侶がいるため、魂抜きをしてくれる僧侶の手配を代行してくれます。どこに頼めば良いか見当がつかない場合に頼りになります。
僧侶派遣サービスや供養専門の業者
近年では、インターネットを通じて僧侶を派遣してくれるサービスも増えています。費用体系が明確で分かりやすく、お布施の金額に悩む必要がないのがメリットです。また、位牌の処分まで一貫して請け負う供養専門の業者も存在します。
魂抜きの費用相場と内訳について
魂抜きを依頼する際に気になるのが費用です。主に「お布施」と、場合によって「お車代」「御膳料」が必要になります。
お布施の相場は1万円〜5万円が目安
魂抜きの儀式に対する僧侶へのお礼としてお渡しするお布施の金額は、地域やお寺との関係性によって異なりますが、一般的には1万円〜5万円程度が相場とされています。もし魂入れと同時に行う場合は、3万円〜10万円程度が目安です。金額に迷う場合は、依頼する際に「皆様おいくらくらいお包みされていますか」と率直に尋ねても失礼にはあたりません。
お車代・御膳料が別途必要な場合も
僧侶に自宅まで出向いてもらう場合は、お布施とは別に「お車代」として5千円〜1万円程度を包むのがマナーです。また、儀式の後の会食(お斎)に僧侶が参加されない場合には、「御膳料」として同じく5千円〜1万円程度をお渡しします。
位牌の魂抜きから処分までの具体的な流れ
実際に魂抜きを依頼し、位牌を処分するまでの一連の流れを4つのステップで解説します。
手順1:依頼先を決めて相談する
まずは、前述した依頼先の中からどこにお願いするかを決め、連絡を取ります。その際に、魂抜きをしたい位牌がある旨を伝え、費用や日程について相談しましょう。
手順2:日程を調整し準備を進める
僧侶の都合と自分たちのスケジュールを調整し、魂抜きの儀式を行う日時を決定します。自宅で行う場合は、仏壇の周りを清掃し、お花やお線香、お供え物などを準備します。お寺で行う場合は、指定された日時に位牌を持参します。お布施などもこの日までに用意しておきましょう。
手順3:魂抜きの儀式を執り行う
当日は、僧侶による読経が行われ、魂抜きの儀式が執り行われます。服装は、弔事用の礼服である必要はありませんが、平服の中でも黒や紺など落ち着いた色の服装を選ぶのが望ましいです。儀式が終わったら、準備しておいたお布施などを僧侶にお渡しします。
手順4:適切な方法で位牌を処分する
魂抜きの儀式が終わると、位牌は単なる「物」になります。その後は、お寺や専門業者に引き取ってもらうか、自治体のルールに従って処分します。
魂抜きを終えた位牌の処分方法
魂抜きが完了した位牌は、いくつかの方法で処分することができます。最後まで丁寧に扱うことを心がけましょう。
お寺でお焚き上げをしてもらう
最も丁寧な処分方法は、魂抜きをしてもらったお寺にそのまま引き取ってもらい、お焚き上げを依頼することです。お焚き上げとは、お経をあげながら浄火で燃やして天に還す儀式のことです。費用はかかりますが、最も安心して任せられる方法と言えるでしょう。
専門業者に処分を依頼する
仏壇店や遺品整理業者の中には、位牌の処分を専門に請け負っているところもあります。これらの業者は、複数の位牌を合同で供養し、お焚き上げをしてくれる場合が多いです。費用を確認した上で依頼しましょう。
自治体のルールに従いゴミとして出す際の注意点
魂抜き後の位牌は「物」であるため、理論上は自治体のゴミ収集に出すことも可能です。しかし、長年手を合わせてきた大切な位牌をそのままゴミ袋に入れることに抵抗を感じる方が大半でしょう。もしこの方法を選ぶ場合は、白い布や紙に包んでから袋に入れるなど、最後まで故人への敬意を払う配慮をすることが望ましいです。
まとめ
位牌の魂抜きをしないからといって、罰が当たるわけではありません。しかし、魂抜きは故人への感謝を示し、ご自身の気持ちに区切りをつけるための大切な儀式です。また、親族間のトラブルを避け、位牌を適切に処分するためにも、必要な手続きと言えます。
とはいえ、「どこに依頼すればいいのか分からない」「菩提寺がなく相談先に困っている」という方も少なくないでしょう。そのような場合は、位牌の魂抜きから供養・処分まで一貫して対応してくれる専門業者の利用がおすすめです。
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