位牌は必要か?お位牌の役割、必要性について宗派ごとの違いと後悔しないための判断基準を徹底解説
- Shinji Iwata

- 2024年6月19日
- 読了時間: 13分
更新日:4月3日
人が亡くなれば当然のように作られて祀られてきたお位牌ですが、承継者不在などの理由からその役割、必要性について悩む方が増えてきました。また、身近に聞ける親戚や相談するお寺もなく、位牌が祀られた仏壇もたまの帰省時に実家で見ることはあっても中に何があるのか聞いたことはなく、親の持っている数本の位牌がだれのものかも知らないまま次の管理が自分たちの番に回ってきた子供たちの世代は、その役割や意味を知らないまま供養の継続に関心が薄く、また礼拝対象の必要性について疑問を持っています。今回は、お位牌の役割、意味などの視点から説明しますので、持ち続けるべきかどうかお悩みの方は判断にお役立てください。

そもそも位牌とは何か?
位牌とは故人の戒名や亡くなった年月日、俗名などを記した木の札のことです。葬儀の時には祭壇に配し、葬儀の後は自宅やお寺に安置します。お坊さんの儀式によって故人の魂が位牌に込められます。先祖の霊を位牌に宿らせて手を合わせて礼拝する対象としたものです。つまりお位牌とは「儀式で故人の魂をお祀りして、供養の対象として作る象徴」です。
位牌は本当に必要か
葬儀の後にまず直面するのが、位牌を作るべきかという疑問ではないでしょうか。位牌には宗教的な意味合いだけでなく、残された私たちが故人と向き合うための大切な役割があります。ここでは、そもそも位牌がどのような意味を持っているのか、その本質的な必要性について考えていきます。
故人の魂が宿る依り代としての役割
仏教の多くの宗派において、位牌は故人の魂が宿る場所、すなわち「依り代(よりしろ)」として扱われます。四十九日の法要までは「白木位牌」と呼ばれる仮の位牌を使用しますが、これは葬儀の際に祭壇に祀られる白い木の位牌のことです。そして四十九日をもって、故人の魂は白木位牌から「本位牌」と呼ばれる漆塗りの黒い位牌へと移されると考えられています。つまり仏教の教えに基づけば、位牌を作ることには、故人の魂が安らかに留まるための「家」を用意するという重要な意味があるのです。
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ご遺族の心の拠り所にもなる
位牌は単なる木の板ではなく、残されたご家族にとっての「心の拠り所」という側面も強く持っています。大切な人を失った悲しみは深く、姿が見えなくなってしまった喪失感は計り知れません。そのような時、位牌に向かって手を合わせ、語りかけることで、故人がまだそばにいてくれるような感覚を得られることがあります。日々の生活の中で「おはよう」や「おやすみ」と声をかけたり、嬉しいことや辛いことを報告したりする対象として、位牌は故人と遺族をつなぐコミュニケーションの窓口となるのです。
宗派や個人の考え方で必要性は異なる
位牌の必要性は、すべての人が一律に「絶対に必要」または「不要」と言い切れるものではありません。後ほど詳しく解説しますが、仏教の中でも宗派によって教えが異なり、そもそも位牌を作らないことを正式な作法とする宗派も存在します。
また、近年では宗教的な形式よりも「自分たちらしく供養したい」という個人の価値観を優先するケースも増えてきました。したがって、位牌が必要かどうかは、ご自身の信仰する宗派の教えや、ご家族がどのような形で故人を偲びたいかという気持ちによって判断することが大切です。
位牌が必要とされる主なケース
位牌を作るかどうか迷った際、まずはご自身の状況が「一般的に位牌が必要とされるケース」に当てはまるかを確認することが重要です。多くの仏教宗派や、日本の伝統的な家庭環境においては、位牌を作ることが基本とされています。ここでは、具体的にどのような場面で位牌の作成が求められるのかを見ていきましょう。
浄土真宗以外の仏教宗派の場合
日本で信仰されている仏教の多くの宗派では、原則として位牌を作ることが供養の基本となります。具体的には、曹洞宗、真言宗、日蓮宗、浄土宗、天台宗、臨済宗などがこれに該当します。これらの宗派では、戒名(法名)を授かり、それを記した位牌を仏壇に安置して日々供養を行うことが教義上の作法とされています。もし菩提寺(先祖代々のお墓があるお寺)がこれらの宗派である場合は、住職の指導に従って位牌を用意するのが最も無難で確実な方法といえます。
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先祖代々の位牌が仏壇にある場合
ご自宅や実家にすでに仏壇があり、そこに祖父母やご先祖様の位牌が並んでいる場合は、今回も同様に位牌を作ることが一般的です。[優内6] 仏壇の中に先祖の位牌があるにもかかわらず、新しく亡くなった方の位牌だけがない状態は、供養の形として不自然に見えてしまうことがあります。また、先祖の位牌と同じ大きさやデザインで揃えることで、仏壇の中の統一感が保たれ、ご先祖様の一員として迎え入れられたという安心感にもつながります。既存の仏壇がある場合は、中を確認し、先祖がどのように祀られているかを参考にすることをおすすめします。
親族間で位牌を祀る慣習がある
ご自身の考えだけでなく、親族や親戚の意向も無視できない重要な要素です。特に地方や伝統を重んじる家柄では、「位牌を作って仏壇に手を合わせるのが当たり前」と考えている親族がいらっしゃることが多々あります。もしご自身の判断だけで位牌を作らないと決めてしまった場合、「なぜ位牌がないのか」「故人がかわいそうだ」といった意見が出て、親族間のトラブルに発展する可能性も否定できません。後々の人間関係を円滑にするためにも、事前に親族の年長者やキーパーソンに相談し、慣習を確認しておくことが賢明です。
位牌が不要とされる主なケース
一方で、宗教的な理由や個人の信仰によっては、位牌を作ることが必須ではない、あるいは作らないのが正式という場合もあります。「位牌は必ず作るもの」という思い込みを一度捨てて、ご自身が以下のケースに当てはまるかどうかを確認してみてください。
ここでは、位牌を作らなくても問題ない、あるいは作らないことが推奨される主な状況について解説します。
ケース | 具体的な状況 | 供養の特徴 |
特定の宗派 | 浄土真宗(本願寺派・大谷派など) | 過去帳や法名軸を使用する |
他宗教 | 神道(神式) | 霊璽(れいじ)を使用する |
他宗教 | キリスト教 | 十字架や写真を飾るケースが多い |
無宗教 | 特定の宗教を持たない | 写真や遺品、手元供養など自由 |
浄土真宗では過去帳や法名軸を用いる
仏教の中でも日本で多くの信徒を持つ「浄土真宗」では、原則として位牌を作りません。これは浄土真宗の「亡くなった人はすぐに阿弥陀如来の力によって極楽浄土へ往生し、仏となる」という教えに基づいています。魂がこの世に留まるとは考えないため、魂を宿す依り代としての位牌は不要とされるのです。その代わりとして、浄土真宗では故人の法名や没年月日を記した「過去帳(かこちょう)」や、掛け軸である「法名軸(ほうみょうじく)」を仏壇に祀って供養を行います。
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神道やキリスト教など仏教以外の場合
仏教以外の宗教で葬儀を行った場合も、当然ながら仏具である位牌は必要ありません。例えば神道(神式)の場合は、位牌にあたるものとして「霊璽(れいじ)」または「御霊代(みたましろ)」と呼ばれる白木の道具を使用し、そこに故人の御霊を移します。[優内9] キリスト教(カトリックやプロテスタント)には位牌という概念自体が存在しませんが、日本独自の文化として、十字架や故人の写真を飾ったり、名前を記した小さなプレートを用意したりして追悼することもあります。ご自身の信仰する宗教の形式に合わせることが、最も自然な供養の形といえます。
無宗教で特定の供養の形にこだわらない
近年増えている「無宗教葬」でお見送りをされた場合や、特定の宗教や寺院との付き合いがない場合は、位牌を作る義務はありません。形式にとらわれる必要がないため、リビングに写真を飾るだけでも十分な供養となりますし、お部屋のインテリアに馴染むモダンなモニュメントを置くことも自由です。「位牌を作らなければならない」という固定観念に縛られず、残されたご家族が最も心を込めやすく、故人を身近に感じられる方法を自由に選択することができます。大切なのは形式ではなく、故人を想う心そのものです。
白木位牌と本位牌の管理について
葬儀から四十九日までの間に仮に作る白木の位牌は、四十九日の忌明けに本位牌(ほんいはい)と入れ替えに処分されます。通常はお坊さん(または葬儀屋さん)が持って帰ってくれます。本位牌は、先祖の霊が宿り続ける限り供養し続けます。先祖代々から繋がる一族の魂は、一本の位牌に集約されながらその役目を終えていきます。つまり故人の新しいお位牌は、経年とともにご先祖様の魂に同化し、物理的な位牌もまとめられていく流れがあります。ですからお位牌は増え続けることはなく、区切りで先祖代々の1本に統合されていくのです。その区切りのことを弔い上げと言います。
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本位牌はいつまでにどう準備するのか
位牌が必要だと判断した場合、次に気になるのは「いつまでに、どうやって準備すればよいのか」という点です。葬儀後の慌ただしい中で準備を進める必要がありますが、位牌は注文してから完成までに一定の時間がかかります。ここでは、スムーズに位牌を準備するためのスケジュールと、注文時に確認すべきポイントについて解説します。
四十九日法要までに用意するのが一般的
本位牌は、原則として四十九日の法要を迎える日までに手元に届いているように準備します。四十九日の法要では、白木位牌から本位牌へと魂を移す「開眼供養(魂入れ)」という儀式が行われることが多いためです。
法要の当日に本位牌がないと、この儀式を行うことができず、後日改めて住職にお願いすることになってしまいます。そのため、葬儀が終わって一息ついたら、できるだけ早めに位牌の手配を検討し始めることが大切です。
作成期間は1週間から2週間ほど
位牌はお店に行ってその場ですぐに持ち帰れるものではありません。選んだ位牌の板に、戒名や没年月日などの文字を彫ったり書いたりする加工が必要になるため、注文から完成までには通常1週間から2週間程度の期間を要します。
特に年末年始やお盆の時期などは注文が混み合い、通常よりも納期がかかる場合があるため注意が必要です。四十九日の法要の日取りが決まったら、そこから逆算して、余裕を持って注文するようにしましょう。
仏壇や先祖の位牌の大きさを確認する
位牌を選ぶ際に失敗しやすいのが、サイズの問題です。新しく作る位牌は、仏壇の内部に収まる高さであることはもちろん、すでにあるご先祖様の位牌よりも大きくならないようにするのが一般的なマナーです。ご先祖様よりも新仏(新しく亡くなった方)の位牌が大きいと、序列としてふさわしくないとされることがあります。
お店に行く際は、あらかじめ仏壇の棚の高さや、すでにある位牌の総高(一番下から上までの高さ)を測っておくとスムーズです。
戒名などの文字情報を正確に伝える
位牌の作成において最も重要なのが、彫り込む文字情報に間違いがないようにすることです。戒名(法名)に使われる漢字には、旧字体や特殊な画数の文字が使われることが多く、普段使っている漢字とは異なる場合があります。注文の際は、お寺からいただいた「白木位牌」の表裏の写真や、戒名が記された紙を持参し、お店の担当者と一文字ずつ確認することが推奨されます。一度彫ってしまった文字は修正が難しいため、注文前の最終確認は念入りに行う必要があります。
位牌の価格相場は数万円程度から
位牌の価格は、一般的に1万円台のシンプルなものから、数十万円する高級なものまで幅広く存在しますが、最も多く選ばれている相場は2万円から5万円程度です。
価格の違いは主に、使用されている木材の種類(黒檀、紫檀、ヒノキなど)や、漆塗りの質、金粉や金箔の使用量、彫刻の細かさなどによります。高価なものが必ずしも良いというわけではなく、仏壇とのバランスや、ご家族が「この位牌なら故人も喜ぶだろう」と思えるデザインを選ぶことが大切です。予算を決める際は、位牌本体の価格だけでなく、文字彫り代が含まれているかどうかも確認しておくと安心です。
仏具店や葬儀社に相談し購入する
最も一般的な購入場所は、街の仏具店や、葬儀でお世話になった葬儀社の紹介です。実店舗で購入する最大のメリットは、実際に商品を手に取って質感や重み、色合いを確認できることです。また、専門知識を持ったスタッフに宗派ごとの決まりや文字のレイアウトなどを直接相談できるため、初めての方でも安心して購入できます。葬儀社によっては割引制度がある場合もあるので、まずは担当者に相談してみるのも一つの手です。
ネット通販では実物を確認できない
近年では、インターネット通販で位牌を購入する方も増えており、実店舗よりも安価に購入できる場合が多いのが特徴です。忙しくてお店に行く時間がない方にとっては非常に便利ですが、画面上の写真と実物の色味や質感がイメージと異なるリスクがあることは理解しておく必要があります。また、文字情報のやり取りをメールやFAXで行うことになるため、伝達ミスが起きないよう細心の注意が必要です。ネット通販を利用する場合は、返品交換の規定や、電話でのサポート体制が整っている店舗を選ぶと失敗が少なくなります。
位牌の処分方法について
「弔い上げ」が位牌の処分の重要なタイミングになります。弔い上げとは、最後に切り上げる年忌法要の最終回の行事のことです。
弔い上げの際、故人の戒名が書かれた位牌から先祖代々の位牌に魂を移します。亡くなった方の魂は先のご先祖様と一体になり、子孫を見守る存在となります。役割を終え、魂が抜かれた位牌は処分されます。通常はお寺でお焚き上げ供養(焼却処分)を行うのが一般的です。しかし、最近では弔い上げのタイミングを逸して、処分すべき位牌が手元に残ってしまい、扱いに困っている承継者が増えています。情報の入手も難しいため、適切な処分方法を知ることが重要です。
【関連記事】 白木位牌の捨て方について。自分でできる処分の方法
まとめ
この記事の要点をまとめます。
位牌は故人の魂の依り代であり遺族の心の支えとなるが、宗派や個人の価値観によって必須ではない。
浄土真宗や他宗教では位牌を作らないのが一般的であり、無宗教の場合は写真や手元供養など自由な形が選べる。
位牌を作る際は四十九日法要までに準備し、仏壇や先祖の位牌とのサイズバランスや正確な文字情報の伝達に注意する。
ご先祖様のお位牌は、弔い上げのタイミングで処分されるのが一般的。
菩提寺がない場合や、古いお位牌の処分に困った場合は、専門の業者に依頼することもできる。
供養において最も大切なのは、形そのものではなく、故人を想い偲ぶご家族の心です。伝統や周囲の意見も参考にしつつ、最終的にはあなたが無理なく、心安らかに向き合える供養の形を選んでください。
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